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会社設立 費用 いくら

会社設立にいくらかかるのか。前提を五つ置いて、金額を出せる形にする

この記事は、こういう方に向けて書いています

「会社設立にいくらかかるのか」をまっすぐ知りたい方に向けた記事です。ただ、この問いには前提を置かないと答えられません。同じ会社設立でも、条件が違えば6万円にも30万円にもなるからです。

そこでこの記事では、金額を左右する前提を五つに整理し、その五つを決めれば金額が出るという形にしました。相場としての数字も添えますが、最終的には自分の条件を当てはめて計算していただく構成です。

金額はすべて2026年8月22日に一次情報で確認したものです。個別の見積りではありません。実際の金額は司法書士・税理士にご確認ください。

「会社設立にいくら」に、そのまま答えられない理由

「会社設立にいくら」に、そのまま答えられない理由を表したイラスト

会社設立にいくらかかるのか。この問いに一つの数字で答えているページを見かけたら、その数字がどの条件のものなのかを探してください。書かれていなければ、その数字は自分には当てはまらないかもしれません。

実際に幅を見てみます。合同会社を電子定款で作り、自分で手続きをすれば、法定費用は6万円です。株式会社を紙の定款で作り、代行に頼めば、30万円を超えることがあります。五倍の差があります。

この差は誰かの間違いではありません。条件が違うだけです。そして条件は、会社設立をする人が自分で決めるものです。ですから、金額を知りたければ先に条件を決める必要があります。

金額を左右する条件は五つです。会社の種類、定款を紙にするか電子にするか、資本金の額、発起人の人数、そして自分でやるか依頼するか。この五つ以外は、設立時の費用にはほとんど効きません。

会社設立の費用を決める五つの前提を並べたチェックリスト
この五つが決まっていないと、金額は出ません

相場という言葉は、この五つを揃えたときにはじめて意味を持ちます。条件が揃っていない数字を並べても、比べようがありません。

会社設立の手続きそのものは法務局が案内しています。どの段階でどこにお金を払うのかを見ておくと、五つの前提がそれぞれどの支払いに効くのかが分かりやすくなります。

この記事で「費用」に含めないもの資本金は会社に残るお金なので、費用に含めません。事業用の設備、備品、ウェブサイトの制作費、名刺、広告費も、会社を成立させるための費用ではないため含めていません。会計上も創立費と開業費に分かれる部分です。

以下では、五つの前提を順に決めながら金額を積み上げていきます。最後に、組み合わせごとの相場を一覧にします。

出典商業・法人登記申請手続 (法務局/2026年8月22日確認)

前提①:株式会社か合同会社か。ここで十万円以上動く

前提①:株式会社か合同会社か。ここで十万円以上動くを表したイラスト

最初の前提は会社の種類です。五つの中でいちばん金額に効きます。

登録免許税の下限が違います。株式会社は15万円、合同会社は6万円。税率はどちらも資本金の額の1,000分の7ですが、下限が9万円違います。2026年8月22日時点の国税庁の登録免許税の税額表による内容です。

さらに、株式会社には定款認証の手続きがあります。手数料が1万5,000円から5万円、謄本の交付手数料が2,000円前後。合同会社にはこの手続き自体がないので、この項目が丸ごとありません。

合わせると、法定費用の差は10万7,000円から14万2,000円になります。これが、会社設立の費用の相場で「株式会社と合同会社では十数万円違う」と言われる根拠です。

株式会社と合同会社の法定費用を並べた比較図
この段階で、すでに十万円以上の差がついています

費用だけを見れば合同会社です。ただし、合同会社には株式による資金調達の仕組みがありません。外部から出資を受けて株式を渡すことができないので、将来的に投資を受ける計画があるなら向きません。

また、役員の任期がなく、決算公告の義務もないため、設立後の費用でも合同会社のほうが軽くなります。株式会社は役員の任期が満了するたびに重任の登記が必要で、そのつど登録免許税がかかります。

逆に、株式会社を選ぶ理由は、資金調達の仕組みと、取引先や金融機関から見たときの分かりやすさです。業種によっては会社の形態を確認される場面がありますので、業界の様子を事前に確かめておく価値があります。

この前提が決まると、会社設立の費用の相場のおおよその水準が決まります。次の前提は、そこから4万円を足すかどうかの話です。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月22日確認)

前提②:紙の定款か電子定款か。差はちょうど4万円

前提②:紙の定款か電子定款か。差はちょうど4万円を表したイラスト

二つ目の前提は、定款を紙で作るか電子で作るかです。差はちょうど4万円で、条件によって変わりません。

定款は印紙税法の別表第一に定められた第6号文書にあたり、税額は4万円です。2026年8月22日時点で、国税庁の印紙税額の一覧表に記載されている内容です。電子データで作れば紙の文書ではないため、課税文書にあたらず印紙を貼りません。

合同会社も同じです。定款認証は不要ですが、紙で作れば印紙税は課税されます。合同会社を6万円で設立するには、電子定款が前提になります。

電子定款にするには電子署名の環境が要ります。電子証明書と、それに対応した文書作成の環境。会社設立のために一から用意すると、4万円を超えることがあります。一度きりなら、道具代のほうが高くつきます。

定款の作り方と、会社設立の費用への効き方
進め方 印紙代 ほかにかかるもの 向いている場合
紙の定款で自分で作る 4万円 なし 電子の環境を用意する気がなく、急いでいる場合
電子定款を自分で作る 0円 電子証明書と環境の費用 今後も定款を作る予定がある場合
電子定款の作成だけ依頼する 0円 依頼先の報酬 一度きりで、依頼料が4万円より安い場合
設立まるごと依頼する 0円 代行手数料(電子定款込みが多い) 手続きに時間をかけたくない場合

※ 依頼先の報酬は事務所によって異なります。相場として一つの数字を挙げられる項目ではありません。金額は各事務所の公式ページでご確認ください。

実務でよく選ばれるのは三番目です。環境をそろえずに印紙代を回避でき、依頼料が4万円より安ければ差額が残ります。会社設立の費用の相場を下げたいときに、いちばん検討しやすい項目です。

ただし、電子定款は工程が増えます。データの作成、電子署名、オンラインでの送信。この手間を誰が負うのかを決めてから選んでください。

なお、株式会社の定款のうち印紙税が課税されるのは、公証人が保存する原本です。認証後に返ってくる謄本には印紙を貼りません。国税庁の一覧表にも、公証人の保存するもの以外は非課税文書である旨が書かれています。

出典No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで (国税庁/2026年8月22日確認)

前提③④:資本金と発起人の人数は、定款認証の手数料に効く

前提③④:資本金と発起人の人数は、定款認証の手数料に効くを表したイラスト

三つ目と四つ目の前提は、資本金の額と発起人の人数です。この二つは組み合わさって、株式会社の定款認証の手数料の区分を決めます。合同会社には定款認証がないので、まったく関係ありません。

手数料は資本金等の額で区分されます。100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、300万円以上なら5万円。そして100万円未満のうち、一定の条件を満たすものは1万5,000円です。2026年8月22日時点の日本公証人連合会の案内による区分です。

1万5,000円になる条件は四つ。発起人が全員自然人であること、発起人が3人以下であること、設立時発行株式の全部を発起人が引き受ける旨の定めがあること、取締役会を置く旨の定めがないこと。令和6年12月1日に施行された改正で加わりました。

株式会社の定款認証の手数料の区分(2026年8月22日時点)
資本金等の額 発起人などの条件 定款認証の手数料
100万円未満 全員自然人で3人以下・全部引受けの定めあり・取締役会なし 1万5,000円
100万円未満 上の条件を満たさない 3万円
100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円

※ 改定前の三区分だけを書いた解説がネット上に多く残っています。金額を写す前に日本公証人連合会のページでご確認ください。

一人で会社設立をして資本金を100万円未満にすれば、手数料は1万5,000円です。資本金を300万円にすれば5万円。差は3万5,000円で、これが資本金が会社設立の費用に与える影響のほぼすべてです。

注意していただきたいのは、資本金を下げても登録免許税は下がらないということです。株式会社の下限は15万円で、資本金の額の1,000分の7がこれを超えるのは資本金がおよそ2,143万円を超えたときです。それまでは資本金がいくらでも15万円です。

資本金で本当に気にすべきは、設立後のほうです。資本金が1,000万円以上だと、設立初年度から消費税の納税義務が生じる場合があります。法人住民税の均等割も、資本金等の額が1,000万円を超えると区分が上がります。

設立時の3万5,000円より、1,000万円という線のほうが重いということです。資本金は当面の運転資金や、許認可で求められる額、法人口座を開くときの見え方も含めて決めてください。

出典会社の定款手数料の改定 (日本公証人連合会/2026年8月22日確認)

前提⑤:自分でやるか依頼するか。ここだけ相場が出せない

前提⑤:自分でやるか依頼するか。ここだけ相場が出せないを表したイラスト

五つ目の前提は、自分で手続きをするか、誰かに依頼するかです。ここだけは、相場として一つの数字を出すことができません。事業者が価格を決めていて、範囲によっても変わるからです。

依頼先は資格によって業務範囲が決まっています。設立登記の申請を代理できるのは司法書士と弁護士です。定款の作成や電子定款の代行、許認可の書類作成は行政書士の業務です。税務署への届出や顧問は税理士の業務です。

ですから、金額を比べる前にどこまでを頼むのかを決める必要があります。定款の作成だけか、登記まで含むか、設立後の届出まで含むか。範囲が違えば金額が違うのは当たり前です。

会社設立の代行サービスには、手数料0円をうたうものもあります。これは嘘ではありませんが、条件が付きます。設立後の税務顧問契約や、会計ソフトの利用契約が前提になっていることが多くあります。

この設計そのものが問題なのではありません。設立後に税理士と顧問契約を結ぶつもりがあるなら、合理的な選択です。問題になるのは、顧問契約を結ぶつもりがないのに0円という言葉だけで選んでしまう場合です。

当サイトも記事の下部で会計事務所のサービスを紹介しています。そちらも設立サポートの手数料が0円になる代わりに、顧問契約とあわせて依頼する場合という条件が付いています。紹介している以上、その条件は明記しています。

自分でやる場合、手数料は0円です。ただし、書類を調べて作る時間がかかりますし、不備があれば法務局から補正を求められて日数が延びます。払わずに済むのはお金だけで、時間は払っています。

会社設立の費用の相場を語るとき、この前提の扱いがいちばん難しいところです。実費は調べれば分かりますが、手数料は見積りを取るしかありません。同じ範囲で複数の事務所に出してもらうのが、いちばん確実です。

出典会社設立代行は自分で手続きするより安い?0円のサービスについても解説! (マネーフォワード/2026年8月22日確認)

五つの前提を組み合わせた、会社設立の費用の一覧

五つの前提を組み合わせた、会社設立の費用の一覧を表したイラスト

五つの前提を組み合わせて、会社設立の費用を一覧にします。いずれも2026年8月22日に一次情報で確認した金額から計算した法定費用です。

五つの前提の組み合わせごとの会社設立の費用(2026年8月22日確認)
条件 法定費用 印鑑・証明書を足した目安
合同会社・電子定款・自分で 6万円 7万3,000円ほど
合同会社・紙定款・自分で 10万円 11万3,000円ほど
株式会社・電子定款・資本金100万円未満・一人・自分で 16万7,000円 18万円ほど
株式会社・電子定款・資本金100万円未満・発起人4人・自分で 18万2,000円 19万5,000円ほど
株式会社・電子定款・資本金300万円・自分で 20万2,000円 21万5,000円ほど
株式会社・紙定款・資本金300万円・自分で 24万2,000円 25万5,000円ほど

※ 印鑑を1万円、証明書を3,000円として計算した目安です。代行に依頼する場合は、ここに事務所ごとの手数料が加わります。

条件別に会社設立の費用を積み上げた棒グラフ
いちばん安い構成といちばん高い構成で、三倍以上の差があります

この表のどこかに、自分の条件が当てはまるはずです。当てはまらなければ、資本金や発起人の人数を自分の値に置き換えて計算してください。法定費用は足し算で出ます。

印鑑と証明書の金額は仮置きです。印鑑は代表者印だけなら数千円から、三本セットなら数万円まで幅があります。証明書は提出先の数だけ必要になるので、通数によって変わります。

そして、代行に頼む場合はここに手数料が乗ります。世の中で言われる「会社設立の費用の相場は30万円」といった数字は、株式会社を紙の定款で、代行に頼んだ場合を想定していることが多いようです。

なお、この一覧は設立時の費用だけです。会社を持ち続けるための費用は含んでいません。

出典登記手数料について (法務省/2026年8月22日確認)

設立後に毎年いくらかかるのかも、同時に見積もる

設立後に毎年いくらかかるのかも、同時に見積もるを表したイラスト

会社設立にいくらかかるのかという問いに答えるなら、設立後に毎年いくらかかるのかも同時に見積もっておくべきです。総額では、こちらのほうが大きくなるからです。

法人住民税の均等割は、所得に関係なくかかります。総務省が公表している標準税率では、資本金等の額が1,000万円以下かつ従業者数50人以下の場合、道府県民税2万円+市町村民税5万円で年7万円。赤字でもかかります。税率は自治体によって異なります。

決算と申告の費用もかかります。法人は事業年度ごとに決算を組んで申告します。法人税の申告は個人の確定申告より複雑で、税理士に依頼するのが一般的です。顧問料と決算料は事務所と会社の規模で幅があります。

役員報酬を出すなら社会保険の会社負担が生じます。法人は原則として社会保険の適用事業所になり、報酬を受け取る役員は被保険者になります。会社負担分は報酬額に比例するため、金額が大きくなることもあります。

これらを足すと、会社を持っているだけで年20万円から40万円ほどになることが多くなります。合同会社と株式会社の設立時の差である十数万円は、この一年ぶんにも満たないということです。

ですから、会社設立の費用の相場を調べる時間の一部を、設立後の固定費の設計に回したほうが、総額としては効きます。役員報酬をいくらにするか、社会保険にいつから入るか、決算をどこに頼むか。

均等割の金額は自治体によって違います。標準税率では年7万円ですが、超過税率を設けている自治体もあります。本店をどこに置くかで年間の費用が変わりますので、候補地の自治体のページで確かめてください。

設立後にどんな届出が必要になるかは、国税庁が新設法人の届出書類として案内しています。何をいつまでに出すのかを先に見ておくと、税理士に頼む範囲も決めやすくなります。

出典地方税制度|法人住民税 (総務省/2026年8月22日確認)

まとめ:五つの前提を決めれば、金額は出る

まとめ:五つの前提を決めれば、金額は出るを表したイラスト

会社設立にいくらかかるのか。五つの前提を置いて答えを出せる形にしました。まとめます。

  1. 会社の種類。株式会社なら法定費用16万7,000円前後から、合同会社なら6万円から。差は十万円以上です。
  2. 定款の形。紙なら収入印紙4万円が加わります。電子なら0円ですが、環境の用意か依頼料がかかります。
  3. 資本金の額。株式会社の定款認証の手数料が1万5,000円から5万円のあいだで変わります。登録免許税は下限があるため多くの場合は動きません。
  4. 発起人の人数。資本金100万円未満で3人以下なら、定款認証の手数料が1万5,000円になります。
  5. 依頼の有無。ここだけは相場として一つの数字を出せません。同じ範囲で複数の見積りを取ってください。

この五つを決めれば、会社設立の実費は計算できます。あとは印鑑と証明書を足せば、設立に必要な総額が出ます。答えが出ないのは情報が足りないからではなく、条件が決まっていないからです。

金額をもう一度整理します。いずれも2026年8月22日に一次情報で確認したものです。登録免許税は株式会社が下限15万円、合同会社が下限6万円。定款認証の手数料は1万5,000円から5万円。定款の謄本は1枚250円。紙の定款の収入印紙は4万円。登記事項証明書は書面請求600円、印鑑証明書は500円。法人住民税の均等割は標準税率で年7万円。

これらは改定されます。とくに定款認証の手数料は令和6年12月に区分が増え、証明書の手数料は令和7年4月に改定されています。古い金額を載せた解説が今も多く残っていますので、必ずリンク先の一次情報で確かめてください。

そして、設立後に毎年かかる費用まで含めて見積もってください。均等割・決算申告・社会保険で年20万円から40万円ほど。設立時の金額は一度きりですが、こちらは毎年です。

この記事は一般的な費用の解説であり、個別の見積りではありません。条件が変われば金額も変わります。具体的な判断は税理士・司法書士・行政書士にご相談ください。

出典会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説 (freee/2026年8月22日確認)

「いくら」の答えは、条件を決めた人にだけ出ます

会社設立にいくらかかるのかという問いは、条件を決めるまで答えが出ません。逆に、条件さえ決まれば、実費は1円単位まで計算できます。答えが出ないのは情報が足りないからではなく、条件が決まっていないからです。

そして、条件を決めるときの基準は費用だけではありません。会社の種類は資金調達の方法を決めますし、資本金の額は法人口座や取引先の与信に効きます。安い選択が良い選択とはかぎりません。

この記事の金額は2026年8月22日時点のものです。手数料も税率も改定されます。出典としてリンクした各機関のページで最新の金額を確かめ、判断そのものは専門家にご相談ください。

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