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会社設立 費用 いくら

会社設立にいくら用意すればよいか。設立の実費と、最初の一年ぶんを足して考える

この記事は、こういう方に向けて書いています

会社設立の費用の相場は調べたけれど、実際に手元にいくら用意しておけばよいのかが分からない、という方に向けた記事です。設立して終わりではなく、そのあと一年間会社を回していくつもりの方を想定しています。

設立時の実費だけを見て予算を組むと、足りなくなります。設立の翌週に証明書代がかかり、数か月後に社会保険の会社負担が始まり、一年後に均等割と決算の費用が来るからです。支出は時間差で来ます。

この記事では、時期ごとにいくら出ていくのかを並べ、最初の一年ぶんの必要額を組み立てます。金額はすべて2026年8月22日に一次情報で確認したものです。個別の見積りは税理士にご相談ください。

会社設立の費用は、時間差で出ていく

会社設立の費用は、時間差で出ていくを表したイラスト

会社設立にいくら用意すればよいかを考えるとき、設立時の実費だけを見ていると足りなくなります。支出が時間差で来るからです。

設立の当日までに払うのは、定款認証の手数料と登録免許税、それに印鑑代です。株式会社を電子定款で作るなら16万7,000円前後。これが会社設立の費用の相場としてよく紹介される金額です。

ところが、設立が終わった翌週には証明書代がかかります。法人口座を開き、税務署や自治体に届出をするために、登記事項証明書と印鑑証明書を数通ずつ取ることになります。

さらに数か月後、役員報酬を出していれば社会保険の会社負担が始まります。そして一年後、最初の事業年度が終われば、法人住民税の均等割と決算・申告の費用が来ます。

会社設立にかかるお金が出ていく順番を時系列で並べた図
設立の日にすべてを払うわけではありません

この図から分かるのは、会社設立の費用の相場として紹介される数字は、上から三つ目までしか含んでいないということです。四つ目以降は、設立が終わってから来ます。

資金計画を立てるなら、この時間差を織り込んでください。設立時の実費で手元の資金を使い切ると、証明書代や社会保険の会社負担で困ることになります。

資本金は使えるお金です資本金は費用ではなく、会社の口座に入る資産です。設立後は会社のお金として使えますので、運転資金の一部として計算できます。ただし、法人口座は設立後でないと開けないため、それまでは代表者の個人口座に置いておくことになります。

設立後にどんな届出が必要になるかは、国税庁が新設法人の届出書類として案内しています。提出先と期限を先に見ておくと、証明書を何通取ればよいかも見積もれます。

出典No.5100 新設法人の届出書類 (国税庁/2026年8月22日確認)

設立当日までに必要な額

設立当日までに必要な額を表したイラスト

まず、会社設立の登記が終わるまでに必要な額です。ここが、会社設立の費用の相場として一般に紹介される部分にあたります。

設立の登記が終わるまでに必要な額(2026年8月22日に一次情報で確認)
項目 株式会社(電子定款) 合同会社(電子定款)
登録免許税 15万円 6万円
定款認証の手数料 1万5,000円〜5万円 なし
定款の謄本(8枚) 2,000円前後 なし
収入印紙(紙の定款なら) 4万円 4万円
代表者印 数千円〜 数千円〜
小計(電子定款・印鑑1万円で計算) 17万7,000円〜21万2,000円 7万円

※ 資本金は含みません。代行に依頼する場合は、ここに事務所ごとの手数料が加わります。

登録免許税は、資本金の額の1,000分の7で、株式会社は15万円、合同会社は6万円が下限です。2026年8月22日時点の国税庁の登録免許税の税額表による内容です。多くの会社設立では下限の額になります。

定款認証の手数料は株式会社だけにかかります。資本金等の額が100万円未満で、発起人が全員自然人かつ3人以下、設立時発行株式の全部引受けの定めがあり、取締役会を置かない場合は1万5,000円。それ以外は3万円から5万円です。

これに資本金を足します。資本金は会社設立の費用ではありませんが、設立の時点で払い込む必要がある現金です。手元に用意しておくお金という意味では、実費と同じように計算に入れてください。

代行に依頼する場合は、ここに事務所ごとの手数料が加わります。金額は範囲によって変わりますので、同じ範囲で複数の見積りを取ってください。相場として一つの数字を挙げられる項目ではありません。

この段階で用意しておく額は、株式会社なら実費で18万円前後に資本金を足した金額、合同会社なら7万円前後に資本金を足した金額、というのが目安です。

なお、定款の認証は公証役場で受けます。現金での支払いを求められる場合もありますので、支払い方法を事前に確認しておくと当日あわてません。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月22日確認)

設立の翌週に必要な額

設立の翌週に必要な額を表したイラスト

会社設立の登記が完了すると、次は届出と口座開設です。ここで登記事項証明書と印鑑証明書が必要になります。

法務省が公表している手数料は、2026年8月22日時点で登記事項証明書が書面請求600円、印鑑証明書が書面請求500円です。令和7年4月1日に改定された金額です。オンラインで請求すればそれぞれ安くなります。

設立後の主な提出先と、必要になる書類
提出先 主に必要な書類 証明書の要否
金融機関(法人口座) 登記事項証明書、印鑑証明書、定款の写しなど 必要
税務署 法人設立届出書、青色申告の承認申請書など 定款の写しなど
都道府県税事務所 法人設立届出書 登記事項証明書を求められることがあります
市区町村 法人設立届出書 同上
年金事務所 新規適用届など 登記事項証明書

※ 必要書類は提出先によって異なります。事前に各提出先のページでご確認ください。

提出先の数だけ証明書が要りますから、数通ずつ取ると合計で数千円になります。会社設立の費用の相場を実費だけで見積もっていると、この部分が漏れます。

印鑑証明書を取るには、あらかじめ法務局に印鑑を届け出ておく必要があります。設立登記の申請時に印鑑届書を出すのが一般的です。ここを忘れると、証明書を取る前にもう一度手続きが要ります。

法人口座の開設には時間がかかります。金融機関によっては審査に数週間かかることもありますので、設立後すぐに申し込んでおくのが無難です。口座がないと、資本金を会社のお金として動かせません。

この時期に用意しておく額は数千円です。金額としては小さいのですが、設立で手元の資金を使い切っていると困ることになります。

なお、この段階で会計ソフトの契約や、必要なら社会保険の手続きも始まります。会計ソフトの利用料は事業者によって異なりますので、公式ページでご確認ください。

出典登記手数料について (法務省/2026年8月22日確認)

最初の一年で出ていく額:均等割

最初の一年で出ていく額:均等割を表したイラスト

会社設立から最初の事業年度が終わると、法人住民税の申告と納付が来ます。このうち均等割は、所得に関係なくかかる部分です。

総務省が公表している標準税率では、資本金等の額が1,000万円以下かつ従業者数50人以下の場合、道府県民税が2万円、市町村民税が5万円で、合わせて年7万円です。2026年8月22日時点で確認した内容です。

重要なのは、赤字でもかかるという点です。売上がまったくなくても、利益が出ていなくても、会社が存在している限り納めます。会社設立の費用を考えるとき、この年7万円は確実に出ていく金額として計算に入れてください。

法人住民税の均等割(標準税率・2026年8月22日に総務省で確認)
資本金等の額 従業者数 道府県民税 市町村民税 合計
1,000万円以下 50人以下 2万円 5万円 7万円
1,000万円以下 50人超 2万円 12万円 14万円
1,000万円超1億円以下 50人以下 5万円 13万円 18万円
1,000万円超1億円以下 50人超 5万円 15万円 20万円

※ 標準税率です。超過税率を設けている自治体があります。実際の税率は本店所在地の都道府県・市区町村でご確認ください。

この表から分かるのは、資本金等の額が1,000万円を超えると均等割が上がるということです。資本金を1,000万円以上にすると、年7万円が年18万円になります。設立時の費用より、こちらの影響のほうが大きくなります。

また、事業年度の途中で会社設立をした場合、最初の年度は月割りで計算されます。設立から決算までの月数に応じた額になりますので、初年度は7万円より少なくなることがあります。

均等割の金額は自治体によって違います。標準税率では年7万円ですが、超過税率を設けている自治体もあります。本店をどこに置くかで年間の費用が変わりますので、候補地の自治体のページで確かめてください。

会社設立の費用の相場を7万円で抑えても、翌年には同じ金額が均等割として出ていくということです。設立費用を削ることの効果は、一年で相殺されます。

出典地方税制度|法人住民税 (総務省/2026年8月22日確認)

最初の一年で出ていく額:決算と申告、社会保険

最初の一年で出ていく額:決算と申告、社会保険を表したイラスト

最初の一年で出ていく額のうち、金額の幅が大きいのが決算・申告の費用と社会保険の会社負担です。この二つは、条件によって金額が大きく変わります。

まず決算と申告です。会社設立をした以上、法人は事業年度ごとに決算を組み、法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税を申告します。自分で申告することもできますが、法人税の申告は個人の確定申告より複雑で、税理士に依頼するのが一般的です。

税理士に依頼する場合、月々の顧問料と、決算のときの決算料が発生するのが一般的な料金の形です。金額は事務所と会社の規模によって幅がありますので、この記事では相場として一つの数字を挙げません。複数の事務所の公式ページでご確認ください。

次に社会保険です。法人は原則として社会保険の適用事業所になり、役員報酬を受け取る役員は被保険者になります。健康保険と厚生年金の保険料は労使折半で、会社負担分は報酬額に比例します。

役員報酬を高く設定すれば、会社負担も比例して増えます。逆に役員報酬を0円にすれば社会保険には加入できませんが、その場合は生活のお金をどう出すかを別に考える必要があります。

設立の実費と、最初の一年で出ていく固定費を並べた積み上げグラフ
設立の実費は一度きり。右側は毎年続きます

この図では社会保険を含めていません。役員報酬をいくらにするかで金額が大きく変わるためです。役員報酬を出すなら、会社負担分をこれに足すことになります。

こうして並べると、設立の実費より一年目の固定費のほうが大きくなりうることが分かります。会社設立の費用の相場だけを見て予算を組むと、一年目に足りなくなります。

税理士を探す場合は、日本税理士会連合会が運営する税理士情報検索サイトで、登録されている税理士を確認できます。料金は各事務所にお問い合わせください。

出典税理士報酬の相場はいくら?顧問料が変動する要因や税理士を選ぶ際のポイントを解説 (弥生/2026年8月22日確認)

最初の一年で用意しておく額を組み立てる

最初の一年で用意しておく額を組み立てるを表したイラスト

ここまでの項目を足して、最初の一年で用意しておく額を組み立てます。株式会社を電子定款で設立し、自分で手続きをする場合です。

最初の一年で出ていく費用の一覧(2026年8月22日に一次情報で確認した金額を含む)
時期 項目 金額の目安
設立まで 登録免許税・定款認証・謄本・印鑑 17万7,000円ほど
設立まで 資本金 事業の必要額(費用ではありません)
設立の翌週 登記事項証明書・印鑑証明書 3,000円ほど
毎月 会計ソフト・顧問料 事務所・事業者によります
1〜2か月後から 社会保険の会社負担 役員報酬額に比例します
1年後 法人住民税の均等割 7万円(標準税率)
1年後 決算と申告 事務所によります

※ 顧問料・決算料・社会保険の金額は条件によって大きく変わるため、金額を示していません。個別の見積りは税理士にご相談ください。

金額が確定している部分だけを足すと、設立の実費18万円ほどに、均等割7万円を加えて25万円ほど。これが一年目に確実に出ていく額です。ここに決算料と社会保険が乗ります。

合同会社なら設立の実費が7万円ほどですから、均等割を足して14万円ほど。均等割は会社の種類では変わりませんので、差は設立時の十万円だけです。

この金額に、事業そのものにかかるお金は含まれていません。事務所、設備、仕入れ、広告。会社設立の費用とは別に、事業を回すための資金が要ります。会社設立ができても、運転資金が尽きれば続きません。

資金が足りない場合、創業融資という選択肢もあります。日本政策金融公庫や自治体の制度融資などがありますが、審査があり、返済も必要です。制度の内容は各機関のページでご確認ください。

会社設立にいくら用意すればよいかという問いに答えるなら、設立の実費に一年ぶんの固定費を足した額が最低ラインです。そのうえで、事業に必要な運転資金を別に確保してください。

出典会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説 (freee/2026年8月22日確認)

用意する額を減らせる場面と、減らせない場面

用意する額を減らせる場面と、減らせない場面を表したイラスト

会社設立のために用意しておく額のうち、どこが減らせてどこが減らせないのかを整理します。

用意する額のうち減らせる部分と減らせない部分を分けた図
減らせるのは、ほとんどが設立時の側です

会社設立の実費は、条件を変えれば減らせます。合同会社にすれば十万円以上、電子定款にすれば4万円、自分でやれば代行手数料のぶん。ただし、それぞれ引き換えに何かを差し出しています。

合同会社にすれば株式による資金調達ができなくなります。電子定款にすれば環境を用意する手間か依頼料がかかります。自分でやれば時間を使い、補正でやり直す可能性を引き受けます。

一方、設立後の一年で出ていく額は、ほとんど減らせません。均等割は赤字でもかかりますし、決算と申告は法律上の義務です。自分で申告すれば税理士費用は浮きますが、その時間と、誤りのリスクを引き受けることになります。

役員報酬を抑えれば社会保険の会社負担は下がります。ただし役員報酬は生活のお金でもありますし、定期同額給与のルールもあって年度の途中で自由には動かせません。ここは税理士と相談して決める領域です。

こうして見ると、会社設立のために用意しておく額を減らすより、正確に見積もっておくほうが役に立つということが分かります。減らせる幅は限られていて、減らした先には代償があるからです。

出典会社設立でかかる維持費や年間費用は? (マネーフォワード/2026年8月22日確認)

まとめ:設立の実費に、一年ぶんを足して用意する

まとめ:設立の実費に、一年ぶんを足して用意するを表したイラスト

会社設立にいくら用意すればよいか。まとめます。

  1. 設立まで:株式会社なら17万7,000円ほど、合同会社なら7万円ほど(電子定款・自分で手続き・印鑑1万円で計算)。これに資本金を別に用意します。
  2. 設立の翌週:証明書代が3,000円ほど。提出先の数だけ必要になります。
  3. 毎月:会計ソフトと、税理士に頼むなら顧問料。金額は事業者・事務所によります。
  4. 1〜2か月後から:役員報酬を出すなら社会保険の会社負担。報酬額に比例します。
  5. 1年後:均等割が7万円(標準税率・赤字でもかかる)と、決算・申告の費用。

金額が確定している部分だけを足すと、株式会社で25万円ほど、合同会社で14万円ほど。これが一年目に確実に出ていく額です。ここに決算料と社会保険と、事業そのものの資金が乗ります。

金額をもう一度整理します。いずれも2026年8月22日に一次情報で確認したものです。登録免許税は株式会社が下限15万円、合同会社が下限6万円。定款認証の手数料は1万5,000円から5万円。登記事項証明書は書面請求600円、印鑑証明書は500円。法人住民税の均等割は標準税率で年7万円。

これらは改定されます。とくに定款認証の手数料は令和6年12月に区分が増え、証明書の手数料は令和7年4月に改定されています。必ずリンク先の一次情報で確かめてください。

会社設立の費用の相場を調べる目的は、安く済ませることそのものではなく、資金計画を立てることのはずです。その意味では、設立時の数万円より、一年ぶんの固定費を正確に見積もるほうが役に立ちます。

この記事は一般的な費用の解説であり、個別の見積りではありません。条件が変われば金額も変わります。資金計画と、役員報酬をいくらにするかといった判断は、税理士にご相談ください。

出典法人口座開設の方法まとめ!必要書類や金融機関の選び方を解説 (freee/2026年8月22日確認)

用意するのは、設立費用だけではありません

会社設立にいくら用意すればよいかという問いに答えるには、設立の実費に加えて、最初の一年ぶんの固定費を足す必要があります。均等割、決算と申告、役員報酬を出すなら社会保険。ここまで含めてはじめて、資金計画になります。

設立費用を数万円削るために時間をかけるより、この一年ぶんを正確に見積もっておくほうが、事業を続けるうえでは役に立ちます。設立できても、続けられなければ意味がありません。

この記事の金額は2026年8月22日時点のものです。手数料も税率も改定されます。出典としてリンクした各機関のページで最新の金額を確かめ、判断そのものは専門家にご相談ください。

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