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会社設立 登録免許税

会社設立の登録免許税はいくらか。計算のしかたと、下限で止まる仕組みを確かめる

この記事は、こういう方に向けて書いています

会社設立の費用のうち、登録免許税がいくらになるのかを自分で計算したい方に向けた記事です。資本金をいくらにするか決めるところで、税額がどう動くのかを知りたい、という段階を想定しています。

結論を先に書くと、多くの会社設立では下限の額で止まります。株式会社なら15万円、合同会社なら6万円。資本金がある水準を超えるまでは、いくらにしても同じです。

この記事では、計算のしかたと、下限を超える資本金の水準を確かめます。金額は2026年8月22日に国税庁の登録免許税の税額表で確認したものです。個別の判断は司法書士・税理士にご相談ください。

登録免許税とは、登記をするときに納める税金

登録免許税とは、登記をするときに納める税金を表したイラスト

登録免許税は、登記をするときに納める税金です。会社設立の場合、設立登記を法務局に申請するときに納めます。

会社設立の費用の中で、いちばん大きい項目です。株式会社を電子定款で設立する場合、総額のおよそ8割を占めます。合同会社でも6割から8割です。

納付は、申請書に収入印紙を貼る方法が一般的です。オンライン申請なら電子納付もできます。納め方で金額が変わることはありません。

税金ですから、値切ることも交渉することもできません。司法書士に頼んでも自分でやっても同じ額です。会社設立の費用の相場を語るとき、この項目には相場という言葉が本来なじみません。

会社設立の費用に占める登録免許税の割合を示した積み上げグラフ
いちばん大きい項目が、法律で決まっています

この図のとおり、いちばん大きい項目が動かないというのが会社設立の費用の構造です。ここを理解しておくと、節約の話がどこまで効くのかも見えてきます。

登記は会社設立のときだけではありません登録免許税は、会社設立のときだけでなく、本店を移転するとき、役員が変わるとき、事業目的を追加するときにもかかります。金額は変更の内容によって異なります。会社設立のときに決めておけば発生しない費用でもあります。

会社設立の登記の手続きと申請書の様式は、法務局が公開しています。どの書類に印紙を貼るのかも、記載例で確かめられます。

以下、計算のしかたを確かめます。

出典商業・法人登記申請手続 (法務局/2026年8月22日確認)

計算式は「資本金の額の1,000分の7」

計算式は「資本金の額の1,000分の7」を表したイラスト

会社設立の登録免許税の計算式は単純です。資本金の額の1,000分の7。株式会社でも合同会社でも、税率は同じです。

1,000分の7は、0.7%です。資本金が100万円なら7,000円、1,000万円なら7万円、1億円なら70万円。素直に掛けるだけです。

ただし、ここに下限があります。計算した額が下限に満たないときは、下限の額を納めます。株式会社は15万円、合同会社は6万円。2026年8月22日時点で、国税庁の登録免許税の税額表に記載されている内容です。

会社設立の登録免許税(2026年8月22日に国税庁で確認)
会社の種類 税率 下限
株式会社 資本金の額の1,000分の7 15万円
合同会社 資本金の額の1,000分の7 6万円
合名会社・合資会社 6万円(申請1件につき)

※ 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」による。計算した額が下限に満たないときは、申請1件につき下限の額になります。

この下限があるために、多くの会社設立では計算する意味がありません。資本金が小さければ、計算結果は必ず下限を下回るからです。

たとえば資本金100万円の株式会社。計算すると7,000円ですが、下限が15万円ですから、納めるのは15万円です。14万3,000円ぶん、下限に引き上げられていることになります。

合同会社なら下限が6万円です。資本金100万円で計算すると7,000円ですが、納めるのは6万円。株式会社より9万円安いのは、この下限の差によるものです。

税率が同じで下限だけが違う。この構造を知っておくと、資本金を大きくしたときに差がどう変わるかも分かります。次のセクションで見ます。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月22日確認)

下限を超えるのは、資本金がいくらのときか

下限を超えるのは、資本金がいくらのときかを表したイラスト

計算した額が下限を超えるのは、資本金がいくらのときか。割り戻せば出ます。

株式会社の下限は15万円です。15万円 ÷ 0.007 = およそ2,142万8,571円。資本金がこれを超えると、計算額のほうが大きくなります。

合同会社の下限は6万円です。6万円 ÷ 0.007 = およそ857万1,429円。こちらは早く追いつきます。

資本金の額ごとに株式会社と合同会社の登録免許税を並べた棒グラフ
資本金が2,143万円を超えると、会社の種類による差はなくなります

この図から分かることが二つあります。ひとつ目は、資本金1,000万円あたりで合同会社の税額が動き始めること。株式会社はまだ下限のままです。

ふたつ目は、資本金2,143万円を超えると会社の種類による差がなくなること。どちらも計算額になるからです。会社設立の費用の相場で「合同会社は9万円安い」と言われるのは、それより小さい資本金を前提にした話です。

とはいえ、会社設立の時点で資本金を2,000万円以上にする方は多くありません。多くの場合、差は9万円ちょうどと考えて差し支えありません。

なお、資本金の額に1,000円未満の端数がある場合や、計算した税額に100円未満の端数がある場合は、端数の処理があります。国税庁のページで確かめてください。

会社設立の費用の相場を計算するときは、まず下限に届くかどうかを見てください。届かないなら、資本金の額は登録免許税に影響しません。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月22日確認)

資本金を下げても、登録免許税は下がらない

資本金を下げても、登録免許税は下がらないを表したイラスト

会社設立の費用を下げる方法として、資本金を下げるという話をよく見かけます。登録免許税に関して言えば、これは効きません。

下限があるからです。株式会社なら資本金が1円でも100万円でも1,000万円でも、登録免許税は15万円。資本金2,143万円までは変わりません。

合同会社も同じで、資本金857万円までは6万円のまま。資本金1円で設立しても、6万円は必ずかかります。

では、資本金を下げると何が下がるのか。株式会社の定款認証の手数料だけです。資本金等の額が100万円未満なら、条件しだいで1万5,000円から3万円の区分になります。300万円以上との差は最大3万5,000円。

合同会社には定款認証がありませんので、資本金を下げても会社設立の費用は1円も下がりません。

資本金を下げたときに下がるものと下がらないものを並べた比較図
下がるのは、株式会社の定款認証の手数料だけです

一方で、資本金を極端に小さくすると、あとで不利になりうることが指摘されています。法人口座の開設、許認可の要件、取引先の与信。資本金は登記事項として公開される数字です。

また、資本金は当面の運転資金でもあります。1円で設立すると、会社にお金がない状態から始まります。あとから増資するには登記が必要で、登録免許税がかかります。

逆に、資本金を1,000万円以上にすると、設立初年度から消費税の納税義務が生じる場合があります。法人住民税の均等割も区分が上がります。上げすぎにも注意が要ります。

会社設立の費用の相場を下げるために資本金を決めるのは、効果が小さいわりに失うものが大きいということです。資本金は事業の必要額から決めてください。

出典資本金とは?会社設立時はいくらに設定すべき?最低金額や決め方、払込時期などを解説 (マネーフォワード/2026年8月22日確認)

登録免許税を下げる、ただ一つの制度

登録免許税を下げる、ただ一つの制度を表したイラスト

登録免許税を下げる方法は、会社の種類を変えること以外にひとつだけあります。特定創業支援等事業による軽減です。

市区町村が実施する創業支援の事業から支援を受け、その証明を取得すると、会社設立の登録免許税が軽減されます。中小企業庁が制度の内容を案内しています。

ただし、誰でも使える制度ではありません。確かめるべき点が五つあります。

登録免許税の軽減制度が使えるかを確かめる五つの項目を並べたチェックリスト
「半額になる」と書かれていたら、この五つを確かめてください

支援を受けるのに時間がかかります。創業塾への参加や継続的な窓口相談を通じて、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を習得するのが一般的です。会社設立を急いでいる場合は間に合いません。

また、この制度は創業予定または創業して間もない方を対象としています。すでに会社を経営していて2社目を作る場合は対象外とされていることがあります。要件は自治体の案内でご確認ください。

使えるなら、効果は大きくなります。会社設立の費用の相場が、株式会社なら7万5,000円ぶん、合同会社なら3万円ぶん下がることになります。

そして、創業支援のプログラムに参加すること自体に、費用の軽減以外の価値もあります。事業計画を見てもらえたり、融資の相談ができたり。節約だけを目的にしないほうが、得るものは多いはずです。

なお、証明書は登記の申請時に添付します。あとから出すことはできません。申請までに間に合うよう、逆算して準備してください。

出典会社設立時の登録免許税の軽減について (中小企業庁/2026年8月22日確認)

納付のしかたと、注意する点

納付のしかたと、注意する点を表したイラスト

登録免許税の納付のしかたを確かめます。

いちばん一般的なのが、収入印紙を購入して登記申請書に貼付する方法です。印紙は郵便局や法務局内の販売所などで購入します。

株式会社なら15万円ぶんの収入印紙が必要になります。金額が大きいので、販売所に在庫がないことがあります。事前に確認しておくと、当日あわてません。

オンラインで登記を申請する場合は、電子納付もできます。法務省が登記・供託オンライン申請システムについて案内しています。納め方で金額が変わることはありません。

注意していただきたいのが、紙の定款に貼る収入印紙4万円とは別だという点です。定款に貼るのは印紙税、登記申請書に貼るのは登録免許税。同じ収入印紙を使いますが、まったく別の税金です。

二種類の収入印紙(2026年8月22日に一次情報で確認)
何のための印紙か 税目 金額 貼る先
定款に貼る印紙 印紙税 4万円(紙の定款のみ) 定款の原本(公証人保存分)
登記申請書に貼る印紙 登録免許税 15万円または6万円(下限) 登記申請書

※ 電子定款なら印紙税は課税されません。登録免許税は電子定款でもかかります。

この二つを混同すると、会社設立の費用の計算が合わなくなります。電子定款にすれば印紙税4万円は消えますが、登録免許税15万円は消えません。

また、登記の申請に不備があって取り下げた場合、納めた登録免許税の扱いには決まりがあります。再使用証明を受けられる場合がありますので、法務局にご相談ください。

納付の金額を間違えると、補正を求められます。申請の前に、資本金の額から計算し直して確かめてください。下限に届かないなら、下限の額です。

出典商業・法人登記の申請書様式 (法務局/2026年8月22日確認)

会社設立の費用の中での、登録免許税の位置づけ

会社設立の費用の中での、登録免許税の位置づけを表したイラスト

最後に、会社設立の費用全体の中で登録免許税がどういう位置にあるのかを確かめます。

会社設立の費用に占める登録免許税(2026年8月22日に一次情報で確認した金額から計算)
項目 株式会社(電子定款) 割合 動かせるか
登録免許税 15万円 約83% 会社の種類か軽減制度でのみ
定款認証の手数料 1万5,000円 約8% 資本金と発起人の条件で
定款の謄本 2,000円 約1% ほぼ動きません
印鑑 1万円程度 約6% 選び方で変わります
証明書 3,000円程度 約2% 請求方法で少し
合計 18万円ほど 100%

※ 印鑑と証明書はこの記事での仮置きです。代行に依頼する場合は手数料が加わります。

この表のとおり、総額の8割強が登録免許税です。そして、この項目を動かす方法は二つしかありません。会社の種類を合同会社にするか、軽減制度を使うか。

残りの項目をいくら削っても、総額はあまり変わりません。印鑑を最低限にして証明書をオンラインで請求しても、下がるのは1万円台です。

ですから、会社設立の費用の相場を大きく下げたいなら、この項目に手が届くかどうかを先に確かめてください。届かないなら、相場は下限のあたりで固定されます。

逆に言えば、会社設立の費用は誰がやってもだいたい同じということでもあります。8割強が法律で決まっているので、工夫の余地が限られているからです。

相場という言葉に幅があるように見えるのは、残りの2割弱と、代行手数料のせいです。いちばん大きい項目は、相場ではなく法定額です。

そして、設立時のこの15万円は一度きりです。設立後には毎年、均等割や決算・申告の費用が出ていきます。総額で見れば、そちらのほうが大きくなります。

出典会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説 (freee/2026年8月22日確認)

まとめ:資本金2,143万円までは15万円で固定

まとめ:資本金2,143万円までは15万円で固定を表したイラスト

会社設立の登録免許税について、まとめます。

  1. 計算式は資本金の額の1,000分の7。株式会社でも合同会社でも税率は同じです。
  2. 下限がある。株式会社は15万円、合同会社は6万円。計算額が下限に満たないときは下限の額になります。
  3. 下限を超えるのは、株式会社で約2,143万円、合同会社で約857万円。それまでは資本金がいくらでも同じ額です。
  4. 資本金を下げても登録免許税は下がりません。下がるのは株式会社の定款認証の手数料だけ(最大3万5,000円)。合同会社は下がるものがありません。
  5. 下げる方法は二つだけ。会社の種類を合同会社にするか、特定創業支援等事業の証明を受けて軽減を適用するか。
  6. 納付は収入印紙を貼るのが一般的。紙の定款に貼る印紙税4万円とは別の税金です。

金額をもう一度整理します。いずれも2026年8月22日に国税庁の登録免許税の税額表で確認したものです。株式会社は資本金の1,000分の7で下限15万円、合同会社は同じ税率で下限6万円。

これらは改定されます。必ずリンク先の一次情報で確かめてください。

会社設立の費用の中で、この項目は総額の8割強を占めます。いちばん大きい項目が法律で決まっているというのが、会社設立の費用の構造です。

ですから、会社設立の費用の相場を下げたいなら、まずこの項目に手が届くかどうかを確かめてください。届かないなら、ほかを削っても数万円です。

この記事は一般的な費用の解説であり、個別の見積りや税務相談ではありません。端数の処理や個別の判断については、法務局・国税庁のページをご確認いただき、司法書士・税理士にご相談ください。

出典会社設立にかかる登録免許税とは?計算方法や半額にする方法を解説 (弥生/2026年8月22日確認)

多くの場合、計算しなくても答えは出ています

会社設立の登録免許税は、資本金の1,000分の7という式で決まります。ただし下限があるので、資本金が株式会社で約2,143万円、合同会社で約857万円を超えるまでは、計算する意味がありません。株式会社なら15万円、合同会社なら6万円です。

この構造を知っておくと、会社設立の費用の相場を読むときに迷わなくなります。いちばん大きい項目が固定されているからです。

この記事の金額は2026年8月22日時点のものです。税額は改定されます。出典としてリンクした国税庁のページで最新の内容を確かめ、判断そのものは専門家にご相談ください。

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