会社設立の2年目以降に増える費用。消費税・重任登記・顧問料
この記事は、こういう方に向けて書いています
会社設立の1期目を終えて、2期目からいくらかかるのかを見積もりたい方に向けた記事です。1年やってみて、思ったより出ていくお金が多かった、という実感があるかもしれません。
そして、これから会社設立をする方にも読んでほしい記事です。会社設立の費用の相場は入口の数字で、そのあと年を追うごとに増えていきます。
この記事では、2年目以降に増える項目を時間軸で並べます。金額は2026年8月23日に確認したものです。個別の判断は税理士にご相談ください。
会社設立の費用は1年目が一番安い

会社設立の費用の相場は、株式会社で16万円台から、合同会社で6万円台からです。2026年8月23日に確認しました。この金額は一度きりで、二度と払いません。
そして、設立後にかかる費用は年を追うごとに増えていきます。1年目が一番安い。
理由は三つあります。消費税の免税が終わること、顧問料が満額になること、そして事業が大きくなること。

この図でわかるのは、3年目に大きく増えるということです。消費税の免税が終わるからです。
会社設立の費用の相場が20万円前後だとすると、3年目の固定費はその6倍以上になります。
会社設立の費用の相場を調べている方は、この増え方を知らないまま設立日を決めていることが多い。
特に、消費税の免税が終わるタイミングは、設立日と決算月の決め方で変わります。
以下、項目ごとに見ていきます。
出典会社設立でかかる維持費や年間費用は? (マネーフォワード/2026年8月23日確認)
3期目から消費税がかかる

資本金1,000万円未満で会社設立をすると、原則として最初の2期は消費税の納税義務が免除されます。国税庁がタックスアンサーで示しています。2026年8月23日に確認しました。
ただし、これは基準期間がないからです。3期目からは、1期目の売上を基準に判定されます。
1期目の課税売上高が1,000万円を超えていれば、3期目から課税事業者です。
さらに、特定期間という判定もあります。1期目の前半6か月の課税売上高と給与等の支払額がどちらも1,000万円を超えていれば、2期目から課税事業者になります。
| 期 | 納税義務 | 判定 |
|---|---|---|
| 1期目 | 免除 | 基準期間がありません |
| 2期目 | 原則は免除 | 特定期間の判定に当たれば課税 |
| 3期目 | 1期目の売上で判定 | 課税売上高1,000万円超なら課税 |
| 4期目以降 | 2期前の売上で判定 | 同上 |
※ 資本金1,000万円未満の場合。インボイス発行事業者に登録すると初年度から課税事業者です。
売上1,000万円で、消費税の納税額は数十万円になることがあります。簡易課税を選べば、業種に応じたみなし仕入率で計算します。
会社設立の費用の相場が株式会社で20万円前後だとすると、消費税の1年分だけで、その数倍です。
そして、この負担は3期目から突然やってきます。2期目まで免税だった感覚のまま資金繰りを組んでいると、足りなくなります。
ここで一つ、抑えることで手放すものにも触れておきます。資本金を1,000万円未満にすれば、最初の2期は免税です。
そのかわり、資本金が小さいと信用の面で不利になることがあります。取引先や金融機関からの見え方が変わります。それに、運転資金も小さくなります。
それでも、多くの会社は1,000万円未満を選びます。消費税の免税2期分のほうが、信用より実利が大きいという判断です。
出典No.6501 納税義務の免除 (国税庁/2026年8月23日確認)
2年目から顧問料と決算料が満額になる

税理士に顧問を頼んでいる場合、1年目は途中からの契約になることが多い。会社設立の直後に契約しても、決算までの月数しかありません。
2年目は12か月分です。顧問料の相場は年20万円から40万円ほど。2026年8月23日時点の一般的な水準です。
これに決算料が加わります。10万円から20万円ほどが目安です。顧問契約に含まれている場合もあります。
つまり、2年目からは年30万円から60万円が税理士関連で出ていく計算になります。
- 顧問料月2万円から4万円ほど。訪問の頻度で変わります
- 決算料10万円から20万円ほど。顧問料の4〜6か月分が目安
- 年末調整従業員がいれば別料金のことがあります
- 記帳代行自分で記帳しない場合は上乗せです
会社設立の費用の相場が株式会社で16万円台からだとすると、税理士の費用だけで毎年その2倍から4倍です。
ここで一つ、抑えることで手放すものにも触れておきます。自分で決算と申告をすれば、この費用はかかりません。
そのかわり、時間と判断の質を手放します。別表の記入、消費税の計算、償却の判断。初年度は何日もかかります。
それに、設立サポート料が0円のサービスは、この顧問契約とセットであることが多い。設立時に10万円を浮かせて、毎年30万円を払う形です。
条件は明示されていることがほとんどなので、隠されているわけではありません。それを承知で選ぶなら、合理的な取引です。
顧問税理士はいずれ必要になります。問題は、いつから必要かということです。
取引が少なく、判断すべき論点も少ないうちは、自分でやるという選択も合理的です。
出典税理士報酬の相場はいくら?顧問料が変動する要因や税理士を選ぶ際のポイントを解説 (弥生/2026年8月23日確認)
社会保険料は、役員報酬を上げれば増える

社会保険料は、標準報酬月額をもとに計算します。この標準報酬月額は、毎年7月の算定基礎届で見直されます。
役員報酬を変えなければ、保険料も大きく変わりません。ただし、保険料率が改定されることがあります。
厚生年金保険の保険料率は、日本年金機構が保険料額表で公表しています。2026年8月23日に確認しました。健康保険の料率は、加入している健康保険組合や協会けんぽの都道府県によって変わります。
大きく増えるのは、役員報酬を上げたときです。事業が軌道に乗って報酬を月30万円から月50万円にすると、会社負担は年54万円から年90万円ほどになります。

会社設立の費用の相場が株式会社で16万円台からだとすると、役員報酬を月20万円にしただけで、社会保険の会社負担は年間でその2倍です。
そして、従業員を雇えばさらに増えます。社会保険は従業員の分も会社が半分負担します。
会社設立の費用を数万円抑えることに時間をかけるより、役員報酬と人員の計画を考えるほうが、金額としてはるかに大きい。
役員報酬は、定期同額給与のルールがあるので期の途中で変えられません。事業年度が始まってから3か月以内に決めます。
だから、毎期の始めに見直すことになります。前期の実績を見て、今期をどうするか。この判断が毎年あります。
出典厚生年金保険の保険料 (日本年金機構/2026年8月23日確認)
株式会社は、任期が来ると重任登記の費用がかかる

株式会社には、役員の任期があります。非公開会社なら、定款で最長10年まで伸ばせます。
任期が満了すると、同じ人が続ける場合でも重任の登記が必要です。登記には登録免許税がかかります。
役員変更の登記の登録免許税は、1件につき3万円。ただし資本金の額が1億円以下の会社については1万円です。国税庁が登録免許税の税額表で示しています。2026年8月23日に確認しました。
小さな会社なら1万円です。10年に一度なら、年あたり1,000円。大きな金額ではありません。
ただし、司法書士に頼めば報酬が加わります。1万円から3万円ほどが目安です。自分でやれば登録免許税だけで済みます。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 役員の任期 | あり。最長10年 | なし |
| 重任登記 | 任期満了のたびに必要 | 不要 |
| 登録免許税 | 1万円(資本金1億円以下) | かかりません |
| 決算公告 | 義務があります | 義務がありません |
※ 登録免許税は2026年8月23日に国税庁の税額表で確認した金額です。
会社設立の費用の相場は、株式会社が16万円台から、合同会社が6万円台から。その差はおよそ10万円です。
設立後の差は、重任登記と決算公告です。10年で1万円から数万円。会社設立の費用の差ほど大きくはありません。
ここで一つ、抑えることで手放すものにも触れておきます。合同会社にすれば、会社設立の費用が10万円ほど安く、重任登記もありません。
そのかわり、株式による資金調達ができません。上場もできません。取引先によっては、株式会社でないと契約できないこともあります。
そして、代表社員の名前が登記事項として残ります。役職名も「代表取締役」ではなく「代表社員」です。
会社設立の費用の相場だけで選ぶ話ではありません。事業の形で選んでください。
出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月23日確認)
忘れがちな、更新と保守の費用

最後に、金額は小さいけれど毎年かかるものを挙げます。一つずつは数千円から数万円ですが、合わせると無視できません。
- 会計ソフト年1万円から4万円ほど。法人向けは有料です
- ドメインとサーバー年1万円から3万円ほど
- 許認可の更新業種によります。建設業なら5年ごとに手数料がかかります
- 法人口座の振込手数料件数によります。月に何件も振り込むなら年数万円
- 印鑑証明書・登記事項証明書取引のたびに数百円
これらを合わせると、年間で5万円から10万円ほどになります。会社設立の費用の相場が合同会社で6万円台であることを考えると、毎年それに近い額です。
それから、許認可がある業種は更新の費用がかかります。建設業許可なら5年ごとの更新で、手数料が数万円。行政書士に頼めばさらに報酬が加わります。
会社設立の費用の相場を調べるときに、許認可の費用まで含めている記事は少ない。業種によって全然違うからです。
自分の業種で許認可が要るかどうかは、設立前に確認してください。設立してから「この事業には許可が要る」とわかると、事業目的の変更登記が必要になることがあります。
事業目的の変更登記は、登録免許税が3万円です。会社設立の費用の相場を数万円下げるために苦労しても、これで消えてしまいます。
だから、設立時に事業目的をよく考えておくことが、結果として一番の節約になります。
将来やる可能性がある事業を、最初から書いておく。書くだけなら費用はかかりません。
ただし、目的が多すぎると何の会社かわからなくなり、法人口座の審査で不利になることがあります。そこはバランスです。
出典会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説 (freee/2026年8月23日確認)
会社を続ける費用と、会社設立の費用を並べる

ここまでの項目を、5年分で合計してみます。会社設立の費用の相場と比べます。

この図でわかるのは、5年続けると会社設立の費用の30倍近くになるということです。
会社設立をするかどうかの判断は、この維持費で決まります。入口の20万円ではありません。
個人事業のままなら、均等割はかかりませんし、社会保険も国民健康保険と国民年金です。会社にすると固定費が増えます。
それでも会社にする理由は、節税、信用、有限責任、社会保険の給付といったところです。維持費を上回るメリットがあるかどうか。
目安として、利益が年600万円を超えたあたりから法人が有利と言われることがあります。ただし、これは条件によって大きく変わります。
会社設立の費用の相場を調べる段階で、この維持費まで見ておいてください。入口だけを見て決めると、あとで苦しくなります。
そして、維持費は設計で変えられる部分があります。役員報酬をいくらにするか、税理士にどこまで頼むか、事務所を借りるか。
会社設立の費用は、選択の幅が狭い。登録免許税は決まっています。維持費のほうが、幅が広い。
出典合同会社と株式会社の年間維持費(ランニングコスト)はいくら? (経営サポートプラスアルファ/2026年8月23日確認)
まとめ:3年目の山を見越して設計する

会社設立の2年目以降に増える費用について、まとめます。
- 2年目:顧問料と決算料が満額になります。年30万円から60万円
- 3年目:消費税の免税が終わります。売上1,000万円なら数十万円
- 毎年:役員報酬を上げれば社会保険の会社負担が増えます
- 10年目:株式会社なら重任登記。登録免許税1万円(資本金1億円以下)
- 毎年:会計ソフト、ドメイン、許認可の更新。合わせて5万円から10万円
一番大きいのは、3年目の消費税です。ここで資金繰りが苦しくなる会社は多い。
- 会社設立の費用
- 一度きり。株式会社16万円台から、合同会社6万円台から
- 1年目の固定費
- 役員報酬を出せば60万円ほど
- 3年目の固定費
- 消費税が加わって130万円ほど
- 5年分の合計
- 会社設立の費用の約29倍
会社設立の費用の相場を調べる時間があるなら、この維持費を試算する時間も取ってください。判断が変わることがあります。
そして、維持費は設計で変えられます。役員報酬、社会保険の加入時期、消費税の選択、税理士に頼む範囲。
会社設立の費用を数万円抑えることに時間をかけるより、この設計に時間をかけたほうが、総額では効いてきます。
独学で全部を押さえるのは、正直しんどい。任せられる相手を持っておくほうが、結局は安くつくことがあります。
この記事の内容は2026年8月23日時点のものです。制度は改正されます。個別の判断は、必ず税理士にご相談ください。
出典会社設立でかかる維持費や年間費用は? (マネーフォワード/2026年8月23日確認)
3年目が一番きついことが多い
会社設立から3年目に、消費税の免税が終わります。そして、事業が軌道に乗って売上が増えていれば、法人税も社会保険も増えています。
この山を越えられるかどうかで、会社が続くかどうかが決まることがあります。会社設立の費用の相場を調べる段階で、ここまで見ておいてください。
この記事の内容は2026年8月23日時点のものです。制度は改正されます。出典としてリンクした情報で最新の内容を確かめ、判断そのものは税理士にご相談ください。
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