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会社設立 費用 安く抑える

会社設立の費用を安く抑える方法を、効果の大きい順に並べる。ただし全部に代償があります

この記事は、こういう方に向けて書いています

会社設立にかけられる予算が限られていて、費用を抑える方法を効果の大きい順に知りたい方に向けた記事です。細かい節約より、まず大きく効くところを知りたい、という段階を想定しています。

この記事では方法を五つ並べますが、安くする話だけを書くつもりはありません。どの方法にも引き換えに差し出すものがあります。金額と代償をセットで示します。

金額はすべて2026年8月22日に一次情報で確認したものです。個別の見積りではありませんし、どこまで削るべきかという判断も示しません。実際の判断は司法書士・税理士にご相談ください。

会社設立の費用のうち、削れるのはどこか

会社設立の費用のうち、削れるのはどこかを表したイラスト

会社設立の費用を安く抑える方法を探す前に、そもそもどこが削れるのかを確定させておきます。ここを知らないまま節約の方法を探すと、動かない項目に時間をかけることになります。

会社設立の費用は、法律や政令で金額が決まっている部分と、選び方で変わる部分に分かれます。前者は誰が手続きをしても同じで、値切ることも交渉することもできません。

株式会社を自分で設立する場合、総額の8割以上が法律で決まっている部分です。合同会社でも7割を超えます。削れるのは残りだけ、ということになります。

会社設立の費用のうち動かない部分の割合を示した積み上げグラフ
項目を削っても、総額はあまり変わりません

では、会社設立の費用を大きく下げる方法はないのか。あります。ただしそれは項目を削るのではなく、条件を変えることです。

会社の種類を変える、定款の形を変える、軽減制度を使う。この三つは、法律で決まっている部分そのものを変えます。項目の節約より、桁が違う効果があります。

この記事で扱わない「節約」印鑑を安いものにする、証明書をオンラインで請求する、といった工夫はこの記事の後半で触れますが、効果は数千円から一万円台です。効果の大きい順に並べるという趣旨から、先に条件を変える方法を扱います。

会社設立の手続きそのものは法務局が案内しています。どの段階でどこにお金を払うのかを見ておくと、どこが削れてどこが削れないのかがつかみやすくなります。

以下、効果の大きい順に五つ並べます。それぞれ、下がる金額と代償をセットで書きます。

出典商業・法人登記申請手続 (法務局/2026年8月22日確認)

方法①:合同会社にする(10万7,000円〜14万2,000円)

方法①:合同会社にする(10万7,000円〜14万2,000円)を表したイラスト

いちばん効くのが、会社の種類を合同会社にすることです。10万7,000円から14万2,000円下がります。

内訳は二つ。登録免許税の下限の差が9万円(株式会社15万円、合同会社6万円)。そして定款認証まわりが丸ごとなくなるのが1万7,000円から5万2,000円。いずれも2026年8月22日に一次情報で確認した金額です。

この金額は、ほかのどの方法より大きくなります。会社設立の費用の相場を下げたいなら、まずここを検討してください。相場の差が十万円台で動く方法は、ほかにありません。

代償は、株式による資金調達ができないことです。合同会社には株式の仕組みがないので、外部の投資家から出資を受けて株式を渡すことができません。将来的に投資を受ける計画があるなら向きません。

あとから株式会社に組織変更することはできます。ただし組織変更の登記に登録免許税がかかりますし、官報公告も必要です。浮いた十万円台は、組織変更の費用で消えます。

もうひとつの代償が、対外的な認知です。取引先や金融機関が会社の形態をどう見るかは業種によります。一律に不利とは言えませんが、説明を求められる場面はあります。

逆に、合同会社には設立後の費用が軽いという利点もあります。役員の任期がないので重任の登記が不要、決算公告の義務もありません。設立時だけでなく、毎年の費用も下がります。

判断の分かれ目は、将来的に株式を発行するかどうかの一点です。ここが決まっていないうちに会社設立の費用の相場だけで選ぶと、あとで高くつきます。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月22日確認)

方法②:電子定款にする(4万円)

方法②:電子定款にする(4万円)を表したイラスト

二番目に効くのが、定款を電子で作ることです。4万円ちょうど下がります。条件によって変わらないので、相場という言い方が要らない、分かりやすい節約です。

定款は印紙税法の別表第一に定められた第6号文書にあたり、税額は4万円です。2026年8月22日時点で、国税庁の印紙税額の一覧表に記載されている内容です。電子データで作れば紙の文書ではないため、課税文書にあたりません。

これは株式会社でも合同会社でも同じです。合同会社は定款認証が不要ですが、紙で作れば印紙税は課税されます。認証の有無と課税の有無は別の話です。

代償は、電子署名の環境を用意する手間と費用です。電子証明書と、それに対応した文書作成の環境が要ります。会社設立のために一から用意すると4万円を超えることがあります。

電子定款にする二つの方法を並べた比較図
一度きりの会社設立なら、依頼するほうが安く済むことがあります

実務でよく選ばれるのは、電子定款の作成だけを行政書士や司法書士に依頼する方法です。依頼料が4万円より安ければ差額が残ります。会社設立の費用を抑える現実的な手段です。

もうひとつの代償が、工程が増えることです。データの作成、電子署名、オンラインでの送信。紙の定款なら押印して持ち込むだけの部分に、手間が加わります。

急いでいる場合、この手間が響くことがあります。4万円と、数日の余裕のどちらを取るかという判断になることもあります。

出典No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで (国税庁/2026年8月22日確認)

方法③:登録免許税の軽減制度を使う(半額)

方法③:登録免許税の軽減制度を使う(半額)を表したイラスト

三番目が、登録免許税の軽減制度です。使えれば効果は大きいのですが、誰でも使えるわけではありません。

市区町村が実施する特定創業支援等事業の支援を受け、その証明を取得すると、会社設立の登録免許税が軽減されます。中小企業庁が制度の内容を案内しています。

軽減の対象になれば、株式会社なら15万円が、合同会社なら6万円が下がります。方法①②に次ぐ効果があり、相場の水準そのものが変わります。

代償というより、条件のハードルが高いのがこの方法です。まず、創業予定地の市区町村が実施しているかどうか。実施していない自治体もあります。

次に、支援を受ける期間です。原則として一定期間・一定回数にわたって、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識を習得する必要があります。創業塾への参加や継続的な窓口相談が求められるのが一般的です。

そして、証明を受けるのは会社法上の発起人であり会社の代表者となる個人です。誰かに代わってもらうことはできません。

登録免許税の軽減制度が使えるかを確かめるチェックリスト
「半額になる」と書かれていたら、この五つを確かめてください

設立を急いでいる場合、この方法は使えません。支援を受ける期間が必要だからです。時間に余裕があるかどうかが、この方法を選べるかどうかを決めます。

なお、創業支援のプログラムに参加すること自体には、費用の節約以外の価値もあります。事業計画を見てもらえたり、融資の相談ができたりします。節約だけを目的にしないほうが、得るものは多いはずです。

出典会社設立時の登録免許税の軽減について (中小企業庁/2026年8月22日確認)

方法④:自分で手続きをする(代行手数料のぶん)

方法④:自分で手続きをする(代行手数料のぶん)を表したイラスト

四番目が、自分で手続きをすることです。代行手数料が0円になります。手数料の相場は事務所によって異なりますので、この記事では相場として一つの数字を挙げません。

法務局は申請書の様式と記載例を公開していますので、手続きそのものは調べれば分かります。書類の書き方に迷ったら、法務局の相談窓口を利用することもできます。制度としては、自分でできるようになっています。

代償は時間です。商号と事業目的を決め、定款を作り、資本金を払い込み、登記申請書と添付書類をそろえて法務局に出す。この一連の作業を、調べながら進めることになります。

もうひとつの代償が、補正のリスクです。書類に不備があると法務局から補正を求められ、登記が完了するまでの日数が延びます。設立日を特定の日に合わせたい事情がある場合、この遅れは費用より重くなることがあります。

合同会社なら定款認証の工程がないぶん、株式会社より工程が一つ少なくなります。自分でやるなら、合同会社のほうが負担は軽いということです。

中間の選び方もあります。電子定款の作成だけを専門家に頼み、登記は自分でやる。印紙代の4万円を避けつつ、手数料は最小限に抑える方法です。

判断の材料は、その時間を事業の準備に使ったほうが得ではないかという問いです。代行手数料の相場が数万円なら、その金額ぶんの時間を事業に回せるかどうかという比較になります。

一方で、自分で一度やっておくと会社の仕組みが分かるという利点はあります。定款に何を書いたか、登記事項に何が載っているか。あとで役員を増やしたり本店を移したりするときに効きます。

出典会社設立手続きは自分でできる?かかる費用や必要な手続きを解説 (弥生/2026年8月22日確認)

方法⑤:印鑑と証明書を最小限にする(数千円〜一万円台)

方法⑤:印鑑と証明書を最小限にする(数千円〜一万円台)を表したイラスト

五番目が、印鑑と証明書を最小限にすることです。効果は数千円から一万円台と小さいのですが、確実に下がります。

会社設立の登記に必要なのは、代表者印(合同会社なら代表社員印)だけです。銀行印と角印は登記には要りません。まず一本だけ作るという選択ができます。

価格は素材と販売店によって数千円から数万円まで幅があります。会社設立の費用の中では、選び方で相場が変わる数少ない項目です。

証明書は、オンラインで請求すれば少し安くなります。法務省が公表している手数料は、2026年8月22日時点で登記事項証明書が書面請求600円、オンライン請求で送付520円、窓口交付490円。印鑑証明書は書面請求500円、オンライン請求で送付450円、窓口交付420円です。

証明書をオンラインで請求した場合の差(令和7年4月1日改定)
証明書 書面請求 オンライン請求(送付) オンライン請求(窓口交付)
登記事項証明書 600円 520円 490円 最大110円
印鑑証明書 500円 450円 420円 最大80円

※ 法務省「登記手数料について」に掲載されている金額です。通数が多いほど差が出ます。

代償は、あとから足すことになるという点です。銀行印は法人口座を開くときに、角印は請求書を出すときに必要になります。設立時に節約したように見えて、数か月後に支出が来るだけ、ということが多くあります。

証明書についても、オンライン請求には利用の準備が要ります。数百円のために手間をかけるかどうかという判断になります。

この方法は、効果の大きさで言えば最後です。方法①〜③を検討したあとで、余力があればという位置づけで考えてください。

出典会社設立時に必要な印鑑は?代表印(実印)などの種類や用途を解説 (弥生/2026年8月22日確認)

五つを合わせると、いくら下がるのか

五つを合わせると、いくら下がるのかを表したイラスト

五つの方法を合わせると、会社設立の費用がいくら下がるのかを計算します。

会社設立の費用を安く抑える方法と、その代償
方法 下がる金額 代償
合同会社にする 10万7,000円〜14万2,000円 株式による資金調達ができない、対外的な認知
電子定款にする 4万円 環境を用意する手間か依頼料、工程が増える
登録免許税の軽減を使う 制度による 支援を受ける期間が必要、実施しない自治体もある
自分で手続きをする 代行手数料のぶん 時間、補正でやり直す可能性、設立日のずれ
印鑑と証明書を最小限に 数千円〜一万円台 あとから足すことになる

※ 金額は2026年8月22日に一次情報で確認した実費から計算した目安です。代行手数料と軽減の割合は条件によって変わります。

株式会社を紙の定款で、代行に頼んで設立する場合と、合同会社を電子定款で、自分で設立する場合を比べると、十数万円の差になります。会社設立の費用の相場の上端と下端の差は、ここから生まれています。ここに軽減制度が加われば、さらに下がります。

ただし、五つ全部を使えるとはかぎりません。合同会社を選べない事情があるかもしれませんし、軽減制度を実施していない自治体かもしれません。急いでいれば自分でやる選択も難しくなります。

使える方法だけを積み上げて、いくらになるかを計算してください。使えない方法を無理に使おうとすると、事業の設計が歪みます。

そして、削った先に何が起きるかを必ず確かめてください。会社設立の費用の相場を下げること自体が目的になると、判断を誤ります。相場より安くできたかどうかは、事業の成否とは関係がありません。

なお、この記事で扱っていない方法として「資本金を下げる」がありますが、これは会社設立の費用をほとんど下げません。登録免許税には下限があるからです。次のセクションで扱います。

出典会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説 (freee/2026年8月22日確認)

効かない節約、逆効果になる節約

効かない節約、逆効果になる節約を表したイラスト

最後に、効かない節約逆効果になる節約を挙げます。よく見かける話ですが、金額を確かめると効果が小さいか、かえって不利になるものです。

ひとつ目、資本金を下げる。会社設立の費用はほとんど下がりません。登録免許税には下限があり、株式会社は資本金2,143万円まで、合同会社は857万円まで15万円・6万円で固定です。

下がるのは株式会社の定款認証の手数料だけで、資本金を100万円未満にすれば最大3万5,000円。合同会社ならゼロです。それなのに、資本金を極端に小さくすると法人口座の開設や与信で不利になりうることが指摘されています。

ふたつ目、事業目的を減らす。定款が短くなって謄本の枚数が減りますが、数百円の話です。それより、あとから事業目的を追加する変更登記の費用(登録免許税がかかります)のほうが大きくなります。

三つ目、印鑑を作らない。設立登記のオンライン申請では印鑑の届出が任意になっていますが、実務では法人の実印がないと契約や口座開設で困る場面が多くあります。現実的な節約とは言えません。

四つ目、資本金を1,000万円以上にする。これは節約ではありませんが、逆に費用を増やします。設立初年度から消費税の納税義務が生じる場合がありますし、法人住民税の均等割も年7万円から年18万円に上がります。

会社設立で効かない節約と逆効果になる節約を並べたチェックリスト
この五つは、やっても総額が下がりません

五つ目、設立時期を早めて最初の事業年度を短くする。均等割は月割りで減りますが、決算と申告が早く来るぶん決算料が発生します。節約した数万円より、決算料のほうが大きくなることがあります。

会社設立の費用の相場を下げたいなら、こうした細かい工夫より、方法①〜③の条件を変えるほうが効きます。桁が違うからです。

出典資本金とは?会社設立時はいくらに設定すべき?最低金額や決め方、払込時期などを解説 (マネーフォワード/2026年8月22日確認)

まとめ:効果の大きい順に三つ。あとは余力があれば

まとめ:効果の大きい順に三つ。あとは余力があればを表したイラスト

会社設立の費用を安く抑える方法を、効果の大きい順にまとめます。

  1. 合同会社にする(10万7,000円〜14万2,000円)。いちばん効きますが、株式による資金調達ができなくなります。あとから組織変更すると、浮いた金額は登記の費用で消えます。
  2. 電子定款にする(4万円)。金額が固定されている分かりやすい節約。環境を用意する手間か、依頼料がかかります。
  3. 登録免許税の軽減を使う。使えれば効果は大きいものの、市区町村の実施と、支援を受ける期間が必要です。急いでいるなら使えません。
  4. 自分で手続きをする(代行手数料のぶん)。時間を使い、補正でやり直す可能性を引き受けます。合同会社なら工程が一つ少なくなります。
  5. 印鑑と証明書を最小限に(数千円〜一万円台)。効果は小さく、あとから足すことになります。余力があれば。

そして、効かない節約があります。資本金を下げても登録免許税は下がりません。事業目的を減らしても数百円です。印鑑を作らないのは現実的ではありません。

金額をもう一度整理します。いずれも2026年8月22日に一次情報で確認したものです。登録免許税は株式会社が下限15万円、合同会社が下限6万円。定款認証の手数料は1万5,000円から5万円。紙の定款の収入印紙は4万円。登記事項証明書は書面請求600円、印鑑証明書は500円。

これらは改定されます。とくに定款認証の手数料は令和6年12月に区分が増え、証明書の手数料は令和7年4月に改定されています。必ずリンク先の一次情報で確かめてください。

最後にもうひとつ。設立時に削れる金額は十数万円ですが、設立後には毎年20万円から40万円ほどが出ていきます。均等割は標準税率で年7万円、赤字でもかかります。設立費用を削ることに時間をかけるより、設立後の固定費の設計に時間をかけたほうが、総額では効きます。

この記事は一般的な費用の解説であり、個別の見積りではありません。どこまで削るべきかという判断は、事業の計画とあわせて税理士・司法書士にご相談ください。

出典会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説 (freee/2026年8月22日確認)

削る前に、削った先を見てください

会社設立の費用を安く抑える方法は確かにあります。合計すれば十数万円下がります。ただし、削れる項目は削った先に何かが起きます。合同会社にすれば資金調達の選択肢が減り、資本金を小さくすれば与信で不利になりうる。

そして、いちばん大きい登録免許税は、会社の種類を変えるか軽減制度を使うか以外に下げる方法がありません。総額の8割前後が動かないというのが、会社設立の費用の構造です。

この記事の金額は2026年8月22日時点のものです。手数料も税率も改定されます。出典としてリンクした各機関のページで最新の内容を確かめ、判断そのものは専門家にご相談ください。

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