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会社設立 費用 勘定科目

会社設立の費用に消費税はかかるのか。課税・非課税・不課税の区分を国税庁で確かめる

この記事は、こういう方に向けて書いています

会計ソフトに会社設立の費用を入力していて、税区分の欄で手が止まった方に向けた記事です。課税仕入10%、非課税仕入、対象外。どれを選べばいいのか。

会社設立の費用の相場を調べていた頃には、まったく出てこない話です。払う話が終わって、記録する話に変わっています。

この記事では、項目ごとの消費税区分を国税庁の情報で確かめます。内容は2026年8月23日に確認したものです。個別の判断は税理士にご相談ください。

消費税には「課税・非課税・不課税」の三つがある

消費税には「課税・非課税・不課税」の三つがあるを表したイラスト

会計ソフトの税区分には、課税・非課税・不課税(対象外)という選択肢があります。どれを選んでも、その取引に消費税はかかりません。

では何が違うのか。課税売上割合の計算での扱いが違います。国税庁がタックスアンサーで説明しています。2026年8月23日に確認した内容です。

不課税取引は、そもそも消費税の対象にならない取引です。国内で事業者が事業として対価を得て行う取引に当たらないもの。税金の納付、給与、寄附などです。

非課税取引は、対価を得て行う取引ではあるけれど、課税になじまないものや社会政策的な配慮から課税しないとされているものです。

消費税の非課税と不課税の違いを並べた比較図
どちらも消費税はかかりませんが、割合の計算で扱いが変わります

課税売上割合は、仕入税額控除の計算に使う数字です。課税売上が5億円以下で、割合が95%以上なら全額を控除できます。

会社設立の直後で売上が小さいうちは、この計算が問題になることはあまりありません。それでも、区分は正しく入れておいてください。

初年度は免税事業者のことが多い資本金1,000万円未満で会社設立をすると、原則として最初の2期は消費税の納税義務が免除されます。ただしインボイス発行事業者に登録した場合は課税事業者になります。

会社設立の費用の相場を調べているときには、この話は出てきません。払う金額に消費税が含まれるかどうかだけが問題だったからです。

記帳する段になると、含まれるかどうかだけでなく、どの区分かまで問われます。

以下、会社設立の費用を項目ごとに見ていきます。

出典No.6209 非課税と不課税の違い (国税庁/2026年8月23日確認)

登録免許税は不課税。税金の納付だから

登録免許税は不課税。税金の納付だからを表したイラスト

会社設立の費用のうち一番大きい登録免許税は、不課税です。会計ソフトでは「対象外」を選びます。

理由は、税金の納付だからです。消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引。税金を納めることは、対価を得て行う取引ではありません。

国税庁は不課税取引の考え方をタックスアンサーで示しています。2026年8月23日に確認した内容です。

登録免許税の金額は、株式会社で15万円、合同会社で6万円が下限です。資本金の額の0.7%と比べて大きいほうになります。

この15万円に消費税は乗りません。15万円ちょうどを払います。会社設立の費用の相場として出てくる数字も、消費税を含まない金額です。

  • 登録免許税不課税。税金の納付です
  • 法人住民税・法人税不課税。同じく税金です
  • 印紙税不課税。ただし印紙の購入は非課税です
  • 社会保険料非課税。保険料に当たります

紛らわしいのが印紙です。印紙税そのものは不課税ですが、印紙を買う行為は非課税とされています。次の見出しで扱います。

会社設立の費用の相場を計算するときに、消費税を上乗せしないよう注意してください。登録免許税15万円に10%を足す必要はありません。

なお、特定創業支援等事業の支援を受けると登録免許税が半額になります。株式会社なら7万5,000円、合同会社なら3万円です。

これも不課税です。半額になっても区分は変わりません。

出典No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例 (国税庁/2026年8月23日確認)

収入印紙と行政手数料は非課税

収入印紙と行政手数料は非課税を表したイラスト

紙の定款に貼る4万円の収入印紙。この購入は非課税です。

国税庁はタックスアンサーの「非課税となる取引」で、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡を非課税として挙げています。2026年8月23日に確認しました。

同じページには、国や地方公共団体などが法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料も非課税とされています。

そして、その一定の事務の例として、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付が挙げられています。

会社設立の費用の消費税区分
支出 区分 理由
収入印紙の購入 非課税 印紙の売渡し場所における譲渡
登記事項証明書の交付手数料 非課税 登記に係る法令に基づく手数料
印鑑証明書の交付手数料 非課税 証明に係る法令に基づく手数料
定款の謄本の交付手数料 非課税 公文書の交付に当たります
登録免許税 不課税 税金の納付です

※ 国税庁タックスアンサー No.6201・No.6157(2026年8月23日確認)。個別の判断は税理士にご相談ください。

定款認証の手数料も、公証人が法令に基づいて徴収する手数料として非課税として扱われるのが一般的です。金額は令和6年12月1日から1万5,000円の区分が設けられています。

つまり、会社設立の費用のうち役所や公証役場に払うものは、ほぼ全部が非課税か不課税ということになります。

会社設立の費用の相場として語られる株式会社16万円台、合同会社6万円台。この金額に消費税は乗っていません。

だから、予算を組むときに10%を足す必要はありません。足すのは、専門家に報酬を払う場合だけです。

この点は、会社設立の費用の相場を計算するうえで実用的です。役所に払う分は表示どおりだと覚えておいてください。

出典No.6201 非課税となる取引 (国税庁/2026年8月23日確認)

専門家への報酬とサービス料は課税

専門家への報酬とサービス料は課税を表したイラスト

司法書士や行政書士に払う報酬は、課税です。消費税10%がかかります。

これは役務の提供の対価だからです。国内で事業者が事業として対価を得て行う取引に当たります。

報酬が10万円なら、消費税を含めて11万円を払います。見積書に「税別」と書いてあれば、そういうことです。

  • 司法書士への報酬課税。登記の代理
  • 行政書士への報酬課税。定款の作成
  • 電子定款の代行料課税。代行業者への支払い
  • 会社の印鑑の代金課税。物品の購入です
  • 法人口座の維持手数料課税。銀行のサービスです

会社の印鑑も課税です。3本セットで1万円なら、消費税込みで1万1,000円になります。

だから、会社設立の費用の相場を計算するときは、役所に払う分と、業者に払う分を分けて考えるとわかりやすくなります。

会社設立の費用を消費税区分ごとに積み上げた図
消費税がかかるのは、業者に払う部分だけです

この図でわかるのは、自分で会社設立をすれば、消費税がかかる部分がほとんどないということです。

逆に言えば、専門家に頼むと報酬の10%が上乗せされます。10万円の報酬なら1万円。会社設立の費用の相場を考えるときに、この分を忘れないでください。

ただし、課税事業者になれば、この消費税は仕入税額控除の対象になります。払いっぱなしではありません。

免税事業者のあいだは控除できないので、そのまま費用になります。初年度は免税事業者であることが多いので、実質的な負担になります。

出典会社設立にかかる登録免許税とは?費用を半額にできる制度や納税方法について解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee (freee/2026年8月23日確認)

会計ソフトへの入力:区分と科目を両方選ぶ

会計ソフトへの入力:区分と科目を両方選ぶを表したイラスト

会計ソフトに入力するとき、勘定科目と税区分を別々に選びます。ここが混乱の元です。

会社設立の費用をまとめて創立費に入れる場合でも、税区分は項目ごとに違います。登録免許税は対象外、印紙は非課税、報酬は課税仕入10%。

だから、創立費という科目に、三つの税区分の仕訳が並ぶことになります。おかしくありません。

同じ創立費でも、税区分は項目ごとに変わります
支出 勘定科目 税区分
登録免許税 創立費 対象外(不課税)
収入印紙 創立費 非課税仕入
定款認証の手数料 創立費 非課税仕入
司法書士への報酬 創立費 課税仕入10%
会社の印鑑 創立費 課税仕入10%

※ ソフトによって区分の名前が異なります。

まとめて一行で入力してしまうと、この区分が混ざります。項目ごとに行を分けて入力してください。

会社設立の費用は多くても10件程度ですから、分けて入力しても手間ではありません。

それから、免税事業者のあいだは税区分が意味を持ちません。消費税の申告をしないので、どの区分でも結果は同じです。

ただ、あとから課税事業者になったときに、過去の入力を見返すことがあります。最初から正しく入れておくほうが後で楽です。

会社設立の費用の相場を調べる時間があったなら、この入力に30分かけるのは悪くない投資です。

なお、インボイス発行事業者に登録すると、初年度から課税事業者になります。その場合は区分が税額に直結します。

出典開業前に支払った経費の仕訳は?(法人)| 決算・申告、業務の流れ(法人) サポート情報 (弥生/2026年8月23日確認)

インボイス登録をすると、初年度から課税事業者になる

インボイス登録をすると、初年度から課税事業者になるを表したイラスト

会社設立の直後は、資本金1,000万円未満なら原則として最初の2期は消費税の納税義務が免除されます。

ところが、インボイス発行事業者に登録すると、その免除がなくなります。登録した時点から課税事業者です。

ここで一つ、抑えることで手放すものにも触れておきます。登録しなければ、2年間は消費税を納めなくて済みます。

そのかわり、取引先が仕入税額控除を受けられません。課税事業者と取引する業種なら、これは不利に働きます。

逆に、取引先が一般消費者や免税事業者ばかりなら、登録しないほうが手元に残るお金は多くなります。

登録する
取引先が課税事業者。初年度から納税義務が生じます
登録しない
取引先が消費者中心。最初の2期は免除されます
判断の時期
会社設立の直後。あとから登録もできます
金額の目安
売上1,000万円で、納税額は数十万円になることもあります

この判断は、会社設立の費用の相場よりはるかに金額が大きい話です。売上1,000万円なら、消費税は数十万円になります。

会社設立の費用を4万円下げるために電子定款を選ぶのと、この判断とでは桁が違います。

そして、この判断は業種と取引先によって結論が変わります。一般論では決められません。

会社設立の費用の相場を調べる時間の何倍かを、ここに使ってください。そして、できれば税理士に相談してください。

相談の費用が数万円かかったとしても、判断を間違えたときの損失のほうが大きいことがあります。

なお、資本金1,000万円以上で会社設立をすると、最初から課税事業者です。資本金の決め方もここに効いてきます。

出典会社設立時にかかる登録免許税はいくら?計算方法・納税方法を解説 | 会社設立の基礎知識 – 小谷野税理士法人 (小谷野税理士法人/2026年8月23日確認)

消費税より、毎年かかる固定費のほうが読みやすい

消費税より、毎年かかる固定費のほうが読みやすいを表したイラスト

消費税は売上に連動するので、会社設立の時点では金額が読めません。それに対して、読める費用があります。

法人住民税の均等割は、赤字でも年7万円が下限です。資本金と従業員数で増えますが、下限は決まっています。2026年8月23日に確認しました。

社会保険の会社負担は、役員報酬に対しておよそ15%です。役員一人の会社でも加入します。

  • 法人住民税の均等割年7万円が下限。売上に関係なくかかります
  • 社会保険の会社負担役員報酬の15%前後。金額を決めれば読めます
  • 税理士の顧問料年20万円から40万円ほど
  • 消費税売上に連動。免税期間があります

この中で、上の三つは会社設立の時点で計算できます。役員報酬を月30万円にすると決めれば、社会保険の会社負担は年間50万円台と読めます。

会社設立の費用の相場が株式会社で16万円台からだとすると、社会保険の会社負担だけで、毎年その3倍が出ていく計算です。

だから、会社設立の費用を数万円抑えることに時間をかけるより、役員報酬をいくらにするかを考えるほうが、金額としてはるかに大きい。

役員報酬は、定期同額給与のルールがあるので期の途中で自由に変えられません。会社設立から3か月以内に決めて、そのあと1年間は同額にする必要があります。

つまり、会社設立の直後の判断が、1年分の負担を決めます。

この設計は、消費税の判断と絡みます。役員報酬を下げれば社会保険は減りますが、法人に利益が残って法人税がかかります。どこで折り合いをつけるか。

会社設立の費用の相場を調べる段階では見えない部分ですが、総額ではこちらのほうが大きいことは知っておいてください。

出典開業費とは?開業後に支払ったものは費用にできるのか解説! (SoVa/2026年8月23日確認)

まとめ:役所に払う分は非課税か不課税、業者に払う分は課税

まとめ:役所に払う分は非課税か不課税、業者に払う分は課税を表したイラスト

会社設立の費用の消費税区分について、まとめます。

  1. 登録免許税は不課税。税金の納付だからです
  2. 収入印紙の購入は非課税。国税庁が明示しています
  3. 登記事項証明書などの手数料も非課税。法令に基づく手数料です
  4. 定款認証の手数料も非課税として扱われるのが一般的です
  5. 専門家への報酬と印鑑の代金は課税。10%がかかります

覚え方はひとつです。役所や公証役場に払う分は非課税か不課税、業者に払う分は課税。これでほぼ判断できます。

会社設立の費用の相場
消費税は含まれていません。表示どおりです
専門家に頼む場合
報酬に10%が乗ります。予算に足してください
会計ソフト
科目は創立費でも、税区分は項目ごとに変えます
初年度
免税事業者なら影響は出ません。登録すれば出ます

会社設立の費用を自分で払って自分で記録するなら、この区分を知っておくと入力が早く終わります。

ただ、正直に言えば、初年度は影響が出ないことが多い論点です。免税事業者なら、区分を間違えても税額は変わりません。

それより大きいのは、インボイス発行事業者に登録するかどうかという判断です。売上1,000万円なら数十万円が動きます。

そして、設立後に毎年かかる費用の設計。均等割は赤字でも年7万円、社会保険の会社負担は役員報酬のおよそ15%。会社設立の費用の相場より、こちらが効いてきます。

この記事の内容は2026年8月23日時点のものです。制度は改正されます。個別の判断は、必ず税理士にご相談ください。

出典No.6201 非課税となる取引 (国税庁/2026年8月23日確認)

最初の期は影響が小さいことが多い

会社設立の初年度は、免税事業者になることが多いです。その場合、消費税の申告そのものがありません。区分を間違えても影響が出ないことになります。

ただし、インボイス発行事業者に登録すると、初年度から課税事業者になります。そちらを選んだなら、区分は最初から正しく入れてください。

この記事の内容は2026年8月23日時点のものです。制度は改正されます。出典としてリンクした国税庁のページで最新の内容を確かめ、判断そのものは税理士にご相談ください。

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