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会社設立 定款認証 費用

会社設立の定款認証の費用は、いまいくらか。改定後の四つの区分を一次情報で確かめる

この記事は、こういう方に向けて書いています

会社設立で株式会社を選び、定款認証にいくらかかるのかを正確に知りたい方に向けた記事です。調べてみたら3万円と書いてあるところと1万5,000円と書いてあるところがあって混乱している、という段階を想定しています。

答えは、どちらもありえます。令和6年12月1日に区分が増えたためです。条件を満たせば1万5,000円、満たさなければ3万円。資本金が大きければ4万円か5万円になります。

この記事では、日本公証人連合会の現行のページで確認した区分をそのまま示し、自分がどれに当たるのかを判定できるようにします。金額は2026年8月22日に確認したものです。

定款認証の手数料は、令和6年12月1日に変わった

定款認証の手数料は、令和6年12月1日に変わったを表したイラスト

会社設立で株式会社を選ぶと、定款を公証人に認証してもらう必要があります。その手数料が、令和6年12月1日に変わりました。

それまでは、資本金等の額によって3万円・4万円・5万円の三区分でした。令和6年11月22日に公証人手数料令の一部を改正する政令が公布され、令和6年12月1日から、一定の条件を満たす場合に1万5,000円という区分が加わりました。

ところが、改定前に書かれた解説がそのまま検索結果に残っています。「株式会社の定款認証の手数料は3万円から5万円」と書かれているページを見かけたら、それは改定前の情報である可能性があります。

会社設立の費用の相場を調べていて、この項目だけ数字が食い違うのは、この改定が原因であることがほとんどです。相場のばらつきではなく、情報の新旧の違いです。

定款認証の手数料の改定(2026年8月22日に日本公証人連合会で確認)
時期 区分 備考
令和4年1月1日から 3万円・4万円・5万円の三区分 資本金等の額で区分
令和6年12月1日から 1万5,000円・3万円・4万円・5万円の四区分 一定の条件を満たす場合に1万5,000円が加わりました

※ 令和6年政令353号による改正。嘱託が令和6年11月30日以前の場合は従前の手数料によります。

経過措置もあります。日本公証人連合会の案内によると、嘱託が令和6年11月30日以前である場合は従前の手数料によるとされています。認証日が12月1日以降でも、嘱託日が11月30日以前なら改正前の手数料です。

なぜこの改定が行われたのか小規模な会社の設立にかかる負担を軽くする趣旨のものです。詳しくは日本公証人連合会の案内をご覧ください。この記事では制度の趣旨より、いまいくらかかるのかに絞って書いています。

会社設立の費用の相場という観点では、この改定で下限が1万5,000円ぶん下がったことになります。一人で小さく始める方には効く改定です。

以下、現行の四区分を確かめます。

出典会社の定款手数料の改定 (日本公証人連合会/2026年8月22日確認)

現行の四つの区分

現行の四つの区分を表したイラスト

現行の区分を示します。2026年8月22日時点で、日本公証人連合会が案内している内容です。

株式会社の定款認証の手数料(2026年8月22日時点)
資本金等の額 条件 手数料
100万円未満 下の四条件をすべて満たす 1万5,000円
100万円未満 満たさない 3万円
100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円

※ 1万5,000円の条件は、(1)発起人の全員が自然人であり、かつその数が3人以下であること、(2)定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載または記録があること、(3)定款に取締役会を置く旨の記載または記録がないこと。

1万5,000円の区分に入るには、資本金等の額が100万円未満であることに加えて、三つの条件をすべて満たす必要があります。

ひとつ目、発起人の全員が自然人であり、かつその数が3人以下であること。法人が発起人に入っていると外れます。4人以上でも外れます。

ふたつ目、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載または記録があること。いわゆる発起設立の形です。

三つ目、定款に取締役会を置く旨の記載または記録がないこと。取締役会を置く設計にすると外れます。

この三つに加えて資本金等の額が100万円未満。四つそろってはじめて1万5,000円です。ひとつでも外れると3万円になります。

資本金等の額が100万円以上なら、条件は関係ありません。100万円以上300万円未満で4万円、300万円以上で5万円です。この場合、発起人の人数も機関設計も手数料には効きません。

なお、「資本金等の額」という言い方をしているのは、資本金だけでなく資本準備金を含む考え方があるためです。判断に迷う場合は公証役場か司法書士にご確認ください。

出典会社の定款手数料の改定 (日本公証人連合会/2026年8月22日確認)

自分がどの区分に入るのかを判定する

自分がどの区分に入るのかを判定するを表したイラスト

自分の会社設立がどの区分に入るのかを判定します。上から順に確かめて、止まったところで決まります。

定款認証の手数料の区分を判定する流れを並べた図
この順に確かめれば、手数料が決まります

一人で会社設立をする方は、意識しなくても四条件を満たしていることが多くあります。発起人は自分ひとり、株式は全部自分が引き受け、取締役会は置かない。この形なら、資本金を100万円未満にすれば1万5,000円です。

逆に、共同で創業する方が4人以上いる場合、発起人に法人を入れる場合、取締役会を置く設計にする場合は、この区分から外れて3万円になります。

差は1万5,000円です。会社設立の費用の相場の中では小さい部類ですが、知らないまま3万円で見積もっていると、相場より高い金額を用意することになります。

この条件は費用のためだけに満たすものではありません。取締役会を置くかどうかは会社の運営の仕方の話ですし、発起人の人数は誰と会社を始めるかの話です。1万5,000円のために事業の設計を変えるのは、順番が逆になります。

ただし、どちらでもよいなら安いほうを選べばよいというのも事実です。一人で始めるなら、取締役会を置く理由はあまりありません。

なお、合同会社にはこの手続き自体がありません。定款認証の手数料も謄本代もかかりません。会社の種類を決めていないなら、この点も判断材料になります。

出典Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。 (日本公証人連合会/2026年8月22日確認)

資本金の額が、区分にどう効くか

資本金の額が、区分にどう効くかを表したイラスト

資本金等の額が、定款認証の手数料の区分にどう効くのかを整理します。境目は100万円と300万円です。

資本金の額ごとに定款認証の手数料がいくらになるかを並べた棒グラフ
300万円を超えると、資本金がいくらでも5万円で頭打ちです

この図から分かるのは、資本金300万円を超えると手数料は5万円で頭打ちだということです。1,000万円でも1億円でも5万円。

いちばん安い1万5,000円と、いちばん高い5万円の差は3万5,000円。これが、資本金が会社設立の費用の相場に与える影響のほぼすべてです。

登録免許税は資本金では下がりません。株式会社の下限は15万円で、資本金の額の1,000分の7がこれを超えるのは資本金がおよそ2,143万円を超えたときです。2026年8月22日時点の国税庁の登録免許税の税額表による内容です。

つまり、資本金を小さくして会社設立の費用を下げようとしても、下がるのは定款認証の手数料だけで、最大3万5,000円ということになります。

一方で、資本金を極端に小さくすると、法人口座の開設や許認可、取引先の与信で不利になりうることが指摘されています。3万5,000円のために資本金を決めるのは、割に合わないことがあります。

逆に、資本金を1,000万円以上にすると、設立初年度から消費税の納税義務が生じる場合があります。法人住民税の均等割も区分が上がります。この線のほうが、3万5,000円より重いという見方もできます。

資本金は、当面の運転資金として必要な額から決めてください。会社設立の費用の相場は、その結果として決まるもので、逆ではありません。

出典資本金とは?会社設立時はいくらに設定すべき?最低金額や決め方、払込時期などを解説 (マネーフォワード/2026年8月22日確認)

謄本の交付手数料も忘れずに

謄本の交付手数料も忘れずにを表したイラスト

定款認証の費用には、手数料のほかに謄本の交付手数料があります。

認証を受けた定款の謄本は、登記の申請に添付します。交付手数料は1枚250円。2026年8月22日時点で、日本公証人連合会が案内している金額です。

登記申請用に通常8枚ほど必要になるため、2,000円前後になります。会社の控えとしてもう1部取る場合は、そのぶん増えます。

金額としては小さいのですが、会社設立の費用の内訳から抜け落ちやすい項目です。手数料は覚えていても謄本代を忘れていると、公証役場で予定より多く支払うことになります。

枚数は定款のページ数によって変わります。事業目的をたくさん書けば定款が長くなり、謄本の枚数も増えます。とはいえ数百円の話です。

むしろ、事業目的を絞りすぎてあとから追加すると、変更登記が必要になって登録免許税がかかります。相場を数百円下げるより、将来やる事業を書いておくほうが安く済みます。

公証役場で支払うのは、認証の手数料と謄本の交付手数料を合わせた額です。四条件を満たす場合なら1万7,000円ほど、資本金300万円以上なら5万2,000円ほどになります。

支払い方法は公証役場によって異なることがあります。現金を求められる場合もありますので、事前に確認しておくと当日あわてません。

出典Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。 (日本公証人連合会/2026年8月22日確認)

会社設立の費用全体の中での位置づけ

会社設立の費用全体の中での位置づけを表したイラスト

定款認証の費用を、会社設立の費用全体の中で見てみます。

会社設立の費用に占める定款認証まわりの割合(2026年8月22日に一次情報で確認した金額から計算)
項目 金額 総額に占める割合(四条件を満たす場合)
登録免許税 15万円 約83%
定款認証の手数料 1万5,000円 約8%
定款の謄本 2,000円 約1%
印鑑 1万円程度 約6%
証明書 3,000円程度 約2%
合計 18万円ほど 100%

※ 電子定款・資本金100万円未満・発起人一人。印鑑と証明書は仮置きです。

定款認証まわりは、手数料と謄本を合わせても総額の1割弱です。登録免許税の15万円のほうがずっと大きくなります。

ただし、資本金を300万円以上にすると手数料が5万円になり、割合は2割を超えます。条件によっては大きな項目になるということです。

そして、この項目は合同会社を選べば丸ごとなくなります。登録免許税の9万円の差とあわせて、株式会社と合同会社の会社設立の費用の相場の差になります。相場が十数万円違うと言われる理由の一部です。

会社設立の費用の相場を下げたいなら、優先順位はこうなります。まず会社の種類、次に電子定款(4万円)、次に資本金を100万円未満にできるか(最大3万5,000円)。

定款認証の手数料そのものは値切れません。公証人手数料令で金額が定められているからです。代行に頼んでも自分でやっても同じ額です。

動かせるのは、どの区分に入るように会社を設計するかという一点だけ。相場を下げる工夫というより、設計の結果です。

出典定款認証とは?手続きの流れや必要な書類・費用を解説 (freee/2026年8月22日確認)

金額を調べるときに気をつけること

金額を調べるときに気をつけることを表したイラスト

最後に、定款認証の費用を調べるときの注意点を挙げます。

ひとつ目、改定前の三区分だけを書いた記事。1万5,000円の区分に触れていなければ、令和6年12月1日より前に書かれた記事である可能性があります。

ふたつ目、更新日が書かれていない記事。いつの情報なのかが分からなければ、そのまま信じないでください。

三つ目、条件に触れずに「1万5,000円になりました」とだけ書いている記事。四つの条件をすべて満たす必要がありますので、条件が書かれていない記事は説明が足りていません。

定款認証の費用を調べるときに確かめる項目を並べたチェックリスト
最後は日本公証人連合会のページを開いてください

いちばん確実なのは、日本公証人連合会のページを開くことです。まとめサイトを何件も見比べるより、所管の団体が公表している内容のほうが確かです。

当サイトも、この金額は日本公証人連合会の現行のページで2026年8月22日に確認したものを使っています。確認した日付を書いているのは、あとから読む方が古さを判断できるようにするためです。

会社設立の費用の相場を調べるとき、この項目だけは金額を写さずに一次情報を開いてください。改定の前後で1万5,000円違います。

なお、手続きそのものについては公証役場に直接確認するのが確実です。多くの公証役場が事前に定款の案文を確認してくれますし、費用はかかりません。

出典9-4 定款認証 (日本公証人連合会/2026年8月22日確認)

まとめ:四区分。条件を満たせば1万5,000円

まとめ:四区分。条件を満たせば1万5,000円を表したイラスト

会社設立の定款認証の費用について、まとめます。

  1. 現行は四区分。1万5,000円・3万円・4万円・5万円。令和6年12月1日に一番下の区分が加わりました。
  2. 1万5,000円の条件は四つ。資本金等100万円未満、発起人が全員自然人で3人以下、設立時発行株式の全部引受けの定めがある、取締役会を置く定めがない。
  3. 100万円以上なら条件は関係ない。300万円未満で4万円、300万円以上で5万円です。
  4. 謄本の交付手数料が1枚250円。登記申請用に8枚ほどで2,000円前後。忘れやすい項目です。
  5. 合同会社にはこの手続き自体がない。手数料も謄本代もかかりません。

金額をもう一度整理します。いずれも2026年8月22日に日本公証人連合会で確認したものです。定款認証の手数料は1万5,000円から5万円。定款の謄本は1枚250円。

この項目は、会社設立の情報の中でいちばん古い金額が残りやすい部分です。改定前の三区分だけを書いた解説が今も検索結果に多く出てきます。金額を写す前に、必ず日本公証人連合会のページを開いてください。

そして、収入印紙4万円とは別の話です。印紙税は紙で定款を作ったときに課税されるもので、電子定款なら不要。認証の手数料と混同しないでください。

会社設立の費用全体の中では、定款認証まわりは総額の1割弱です。登録免許税の15万円のほうがずっと大きいという位置づけを押さえておいてください。

この記事は一般的な費用の解説であり、個別の見積りではありません。区分の判定や手続きに迷う場合は、公証役場、または司法書士・行政書士にご相談ください。

出典定款認証の必要書類は?電子定款の場合や公証役場の手続きについて解説 (弥生/2026年8月22日確認)

この項目だけは、古い情報をつかまないでください

会社設立の費用の中で、いちばん古い金額が残りやすいのが定款認証の手数料です。改定前に書かれた解説がそのまま検索結果に残っていて、上位に出てくることもあります。

1万5,000円で済むところを3万円で見積もっていても、多く用意しておくだけなので実害は小さいかもしれません。ただ、逆に古い区分を前提に資本金を決めてしまうと、判断を誤ります。

この記事の金額は2026年8月22日時点のものです。手数料は改定されます。出典としてリンクした日本公証人連合会のページで最新の内容を確かめ、手続きそのものは公証役場にご確認ください。

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